2025年度
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10月「いっしょに」 「輝いて」
ふたばさんの朝の支度に関わった時のこと。「だんだんお友達が増えてきたね。最初は二人だったでしょ」と声をかけると、「○○くんと○○くんと・・」と名前を挙げ、新しく加わったお友達を紹介してくれました。毎日をいっしょに過ごす中で、同じクラスの仲間という意識が芽生えているようで嬉しく思います。玄関のアゲハの幼虫に、クロアゲハが仲間入りしたので、模様の違いを観察しました。「触ってみたい」というので、そっと手のひらにのせると、「もじもじしている」「こっち(腕)までのぼってきた!」そうやって実際に触れて試している人、遠巻きにその様子を見ている人。どちらも興味があって見ている姿にはかわりがありません。一人一人の事柄への関わり方を大切にし、そこからどう変化していくか楽しみにしたいと思います。「クロアゲハのツノは赤いんだって」頭をちょんちょん触ると、何とも言えない臭いと共に出てくる臭角!
アオムシからサナギ、そしてチョウチョへと羽化する瞬間を、今度こそ捉えたいと心待ちにしています
「カニが捕れたんだよ~!」 あがたの森にトチの実探しに行ったたんぽぽさんが、幼稚園に帰ってくるなり、開口一番教えてくれました。「ん?カニ?」聞いてみると、北西駐車場の近くのいちょう並木の近くにいたとのこと。「何で海がないのに、ここにいるの?」「幼稚園に帰ったら、カニパーティしよう!」 予想外の出来事に、子ども達の様々な考察や思いがあふれ出たようです。図鑑を調べても見当たらず、ネット検索をしたたんぽぽさん。捕ってきたカニの姿と見比べて、これかな、あれかなと頭を付き合わせ名前を探しました。何を食べるのか。どう育てたらいいのか。一匹のカニをめぐり、また一つ楽しい活動ができそうです。 ちなみに、つけられた名前は、「カニリボンちゃん」ですって。
幼い頃に自然に親しむということは、子どもの資質や能力を伸ばすことの意味を超えて、その子が生まれてきた、この世界という基盤に親しむということです。子どもが毎日をお友達と一緒に過ごしながら、一つ一つを、「よきものだ」と当たり前のように感じ覚えていくことが大切です。そして、その活動が、「持続可能な社会を創るために必要な環境観」につながっていきます。
子どもが虫や草花に触れながら、驚いたり感心したり見つけたり・・・五感を充分使い、目が、顔が輝くような新鮮な経験をたくさんして欲しいと思います。私たちは豊かな自然環境を整えることにより、子どもが自然に親しみを持ち「いのち」を感じ、身近な自然を大切にする「環境観」を育てていきたいと思います。
聖書 テサロニケの信徒への手紙1 5章16~18節
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」
文責 園長 古川千尋
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9月主題「おもしろそう・気持ちいい」
6月、いちょうさんのサマーキャンプの行事では、一人ひとりが大きな一歩を踏み出しました。準備過程での話し合いの中で、ある子どもが「(キャンプに)行きたいっていう気持ちがこっちにあって、ママがいなくて寂しいなっていう気持ちはこっちにあって、どっちも出てきちゃうんだよね」と話してくれました。新しいことに挑戦する前の、子どもの揺れる気持ちが心に残りました。期待と不安の中で、それでも自分の思いに向き合い、踏み出そうとする姿に、子どもの自ら育とうとする力を感じました。その気持ちに耳を傾け、寄り添いながら見守ったり、そっと優しく背中を押してあげたりすることが、私たちにできる大切な関わりなのだと、改めて気づかされました。きっと言葉には出さないまでも、子どもたち全員の心の中に、同じような気持ちがあったのではないかと思います。おうちの方と離れて泊まるという初めての経験に、「大丈夫かな?」という気持ちを抱きながらも、友だちと力を合わせ、達成感や楽しさを味わった子どもたち。きっとこの経験が、大きな自信につながったことでしょう。
サマーキャンプの準備や当日の活動では、みんなでつくる楽しさを感じる場面がたくさんありました。子どもたちは、自分の思いを言葉にしたり、友だちの話に耳を傾けたりしながら、一緒に考え、行事をつくり上げていく過程を楽しんでいたように思います。こうした育ちが、その後の遊びや生活にも生かされていくことを願いました。
そんな7月のある日、A君が家族で魚釣りをしたことを知香先生に話しました。その話をきっかけに、子どもたちの間で「魚釣りごっこをしたい」という声が上がり、みんなで遊びを広げていくことになりました。図鑑で調べて絵を描いたり、釣り場を工夫したり、それぞれのアイデアを持ち寄りながら、みんなでつくる楽しさを感じているようでした。異年齢の子どもにも声をかけ、優しく関わる姿も見られました。大盛況で「まるでお祭りみたい」「お祭りしたい」という声が子どもから上がりました。そこから『夏祭りごっこ』へと発展していったのです。準備では、子どもたちが考えをお互いに伝え合いながら品物を作ったり、役割分担をしたり、小さい子が遊びやすいようにルールを工夫したり、休んだ子どもがいる売り場を自ら手伝ったりする等、力を合わせようとする姿があちらこちらで見られました。いちょうさんの「いらっしゃいませ!」という元気な声が聞かれたり、異年齢の子どもたちが、買った品物を大事そうに見せ合いながら、「おいしいね!」と微笑み合う姿も見られたりしました。終わった後には「またやろうよ!」「そうだね。今日は休んだお友だちもいたからね」という声も上がりました。夏休み明けも続きそうでワクワクしています。
サマーキャンプでは、仲間と一緒に考え、工夫しながらつくり上げる楽しさや達成感を味わいました。その経験は、後の魚釣りごっこや夏祭りごっこの遊びにもつながっていったように思います。こうしたつながりの中で、子どもたちは日々成長していくのだと実感しています。
そんないちょうさんの姿に、異年齢の子どもたちも「いちょうさんみたいにやってみよう」と思いを膨らませたり、年上の子との関わりの中で多くのことを学んだりしていくでしょう。
2学期も、「おもしろいね」「挑戦してみよう!」という気持ちが響き合うような楽しい遊びや行事を、みんなで考え工夫してつくり上げていきたいと思います。
文責 中村
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8月「祈りの中で」「祈りあう」
これは毎年思うことなのですが、今年もその姿に出会うことができ、感動を覚えました。
園で初めて神さまを知る新入園のたんぽぽさん、ふたばさんが日々のお祈りを耳にし、祈りの時をともにするなかで、「アーメン」と口にするようになりました。ふたばさんのお弁当の時間、“なに歌う?”の問いに、「おべんとうのうた!(食前の賛美歌)」と返ってきます。
♪おいしいおべんとう きょうもまた おあたえくださるかみさまに
みんなでおれいをもうしましょう♪
そして、手を組むと、「〇〇のおいのり すてき?」と聞くので、“Aちゃんのおいのりがすてきです。Bちゃんのおいのりがすてきです。神さま、今日もおいしいおべんとうをありがとうございます。…”と祈ると、最後に「アーメン!」と子どもたちの大きな声。さらに、今年のふたばさんたちは、「いただきます!アーメン‼」と続いていました。この祈りの声に、皆が喜びに溢れます。
私たちは、子どもたちとの祈りの中で教えられることがあります。言葉にして祈る、声に出して祈る、皆の前で祈る、一人で祈る…いろいろな祈りがあると思います。言葉にならない思いがある時もあるでしょう。しかし、声に出して祈りあうことは、自分だけではない多くの人の祈りをともにすることであり、この祈りがそのようになりますように、と思わずにはいられません。子どもたちと祈りあうことで恵みを与えられることを感じています。
8月は、特に平和を考える月です。平和とは何でしょう。自分を知り、自分と違う人がいることを知り、自分と違う考えを持つ人がいることを知り、相手にも思いや考えがあることを理解し、受け止める。受け入れることができなくても、互いに平和をつくりだすことはできるのはないでしょうか。これからも、キリストの平和が世界のすみずみに行き渡りますようにと、ともに祈りあっていきたいと思います。
文責 木下
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7月「はずんで」「思いっきり」
「ありのー ままのー 姿見せるのよー♪」階段下から聞こえてくるかわいい歌声。 ままごとコーナーでは、ドレスを着た男女でプリンセスごっこが盛んです。時々近くにいるアゲハの幼虫を見に行ったり、塗り絵をしてみたりしながらも、遊びが継続しています。
飼育ケースのアオムシに戸惑っている人に、「えーっ、虫嫌いなの?」「だって、ハチが来たら、刺されるといやでしょ?」「うん。でも私、家であおちゃん(アオムシ)飼っているよ」 大人が聞いていると、少しことばが足りず、話がかみ合っていないように思えます。でも、それぞれの思いを伝え、言われた方も自分なりの言い分をちゃんと話しています。そして会話のあとは、「塗り絵しよっか?」と狭いテーブルでも、顔を寄せ合って描き始め・・・余計な口を挟まなくて、よかった!と思いました。
一つの場面や会話で、「あれ、大丈夫かな」と思ってしまう事がありますが、子ども達は、日々の遊びの積み重ねが土台となり、心をはずませ楽しむ中で気心が知れ、互いに思いをぶつけ合っても崩れない信頼関係を築いていきます。そして、自分とは違う感じ方の人がいることも覚えます。違っていても、「それもいいねえ」と認め合える関係を育て、大人は先走りせずに子どもの思いを受入れ、共感する存在でありたいと思います。
「チョウチョさん、頑張れ!」羽化して間もない、羽が柔らかで、心もとない飛び方のアゲハを応援してくれる子ども達。虫に触れる事ができてもできなくても、小さいものに寄せる思いは同じ。既に、19匹ほどが空に羽ばたいていきました。
午後のお片付けの時間になり、額の汗をぬぐいながらすみれさんの女の子が、「お相撲してきた」と頬を赤らめてホールから戻ってきました。男の子たちは、「明日は金曜日か。千秋楽だな」との会話! 男女、年次関係なく交わりながら力比べをする中で、目の前のお友達が、「強いな」と思えば、すっと下がって順番を変えたり、反対に、小さなたんぽぽさんが相手だと手加減してくれる様子があります。力の強い男の子からひっくり返されても、それが楽しくて向かっていく女の子たち。逞しくなってきました。先生を相手にしてもいい勝負をし、押し出して得意顔。
力を思いきり出し、文字通り相手とぶつかって自分の力を試してみる。ぎゅっと組み合い、相手の肌のぬくもりを感じる。尻もちをついたり転がったりして痛みも覚え、徐々にかわせるようにもなり、体の使い方を習得していく。お相撲にはいろいろな魅力がありますね。「あー、楽しかった。またやろうね。」したいことを思う存分に楽しむ中で、心も体も豊かになっていく姿を嬉しく感じる毎日です。
文責 園長 古川千尋
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6月主題「かんじる」「みつける」
春から初夏へと向かうこの頃は、目まぐるしく変わる気候にあたふたしてしまいます。
園庭の自然も大忙し。花をつけていた木々が、緑の若葉に覆われ、さまざまな草花が葉を伸ばし、花を咲かせています。鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえ、小さな虫たちもどんどん動き出しました。
4月半ば過ぎ、すみれさんは、A君が持ってきた数本の“つくし”(園長先生にあげるものだったようです)をきっかけに、はえている場所を見に行く散歩に出かけることになりました。おうちの方が、丁寧に地図を書いて持たせてくださったので、それを頼りに出発しました。自分の足で歩いて見つけたつくしは、愛おしかったことでしょう。それからは、「ここにこんな花が咲いていた」と、見つけた花を持ってきて紹介したり、部屋に写真を飾って名前を調べたりして、植物への関心がどんどん広がっていきました。
たんぽぽさんといちょうさんの何人かが、裏の畑でノビル(松本では、ねんぼろともいいます)とフキを見つけました。地主さんから「採っていいですよ」と許可を得ていましたから、喜んで収穫をしました。好きな子は、毎日のように畑に行って収穫をし、家に持って帰っていました。そこで、皆さんにも季節の味を味わっていただきたいと、フキを、“どなたでもどうぞ”と持ち帰っていただくことにしました。おうちの方に声をかけると、「食べたことないんです」「どうやってお料理したらいいんですか?」という声がたくさん聞かれましたが、「やってみます」と大勢の方が持ち帰ってくださいました。そして、「食べました!」との嬉しい報告をしてくださった方々がいらっしゃいました。おうちの方も、できるかなぁ…という気持ちがあったことと思いますが、やってみて感じること、見つけることがたくさんあったのではないでしょうか。
“なんだろう”から行動して“みつける”。“動き出して”やってみて“かんじる”。6月の自然は、子どもたちの経験をさらに豊かにしてくれることでしょう。満3歳児も入園します。友だち関係の広がりや深まりの中からも、さまざまなことを感じ、見つけてほしいと願います。
文責 木下
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5月主題「なんだろう」
暖かな日差しが降り注ぎ、春の陽気を感じられる今日この頃。新年度が始まって、あっという間に一週間が経ちました。子どもたちも新しい環境に少しずつ慣れ、園内にはにぎやかな笑い声が響いています。
すみれさんのころから、いちょうさんに進級することを楽しみにしていた子どもたち。新しくなったお部屋に「いちょうさんの部屋だ~!」と喜んでいたり、自分だけの絵の具が持てるようになり、「早く使いたい!」と期待を膨らませていたり、ホールの大型積み木で遊べるようになり、夢中になってイメージを膨らませ組み立てていたり…いちょうさんになって初めて経験すること、その一つひとつに喜びを感じている姿がとてもまぶしく、そばで見守らせていただけることに嬉しさを感じています。
新しく入園してきたたんぽぽさんに向けて、みんなで心を込めて準備を進めてきた『よろしくねの会』では、歌や言葉、メダルのプレゼントを贈りました。温かい雰囲気の中で会が進んでいく中で、ふと「何か困ったことがあったら言ってね。お姉さんたちが助けて、先生に言ってあげるからね」と言葉を掛けてくれた子がいました。なんて思いやりに溢れた言葉でしょう。「自分にできることはなんだろう?」と、誰かのために動こうとする優しさに感銘を受け、頼もしさを感じました。自由遊びの中でも、たんぽぽさんを誘ってお家ごっこを楽しむ姿が。「このスカート、履いてもいいよ!」「ごはんができたよ。一緒に食べよう」とわいわい。お揃いのスカートを身に着けていることで、ぐっと距離が縮まったように見えました。最初は少し緊張した表情だったたんぽぽさんも、いつの間にかニコニコ。遊んだ後には、「また遊ぼうね」と約束を交わしていました。これからどんな関わりが見られるのだろう?と、とても楽しみです。
春。様々な自然に触れることのできる、絶好の機会です。先日全園児であがたの森にお散歩に行った際にも、色とりどりの花を見つけては、「このお花はなんだろう?」と興味を示す姿がたくさん見られました。ダンゴムシや蝶など、冬の間隠れていた虫たちも目覚め始めています。私自身も子どもたちと一緒にたくさんの草花や虫に出会い、触れ、「なんだろう?」と疑問を持ち、心も体も動かされる様々な体験を楽しみながら過ごしていきたいと思います。
文責 中川
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年主題「ともに」 4月主題「だいじょうぶ」「神様に愛されて」
玄関に咲くパンジー、球根で年少児が植えてくれたチューリップ。寒い、温かいを繰り返しながらも、春らしい気配を感じ喜んで咲いているように見えます。
3月に入り雪。そして卒園式もまさかの雪!ここ30年ほど無かった事でしたが、とても印象深い日となりました。「お花が寒くてかわいそうだね。」雪に埋もれたパンジーを見て心配そうにつぶやく年少児。「そうだね。でもこのお花は強いんだよ。寒い中でも根をしっかり張っているから、温かくなればたくさんお花が咲くよ。」と伝えました。花がもげないように、降り積もった雪をそっと掴んで丸めて、「あの木(榎)まで届くかな?」と雪玉を作り、投げっこをしているうちに埋もれていたパンジーがみんな顔を出しました。自然は子ども達の気持ちを揺り動かし、また絶好の遊び道具なります。
神さまが創造された自然や動植物には、限りない力があります。年度当初は、身近な動植物が少しずつ不安や緊張が解きほぐしてくれます。涙している子がアリを見つけ、その後を追いながらアリ観察を始め涙が止まったり、プランターの花にお水をかける友だちを見て、同じことを始めて互いに会話が弾み笑顔になったり。神さまがこんなに素敵な世界を下さり、手招きしてくださっています。神さまのわざに感謝しつつ、焦らず、少し立ち止まり、子どもの視線に合わせて同じものを見つめ、子どもの思いに寄り添いたいと思います。
この一年、日々の中で、子ども達が信頼できる人のあたたかなまなざしを受け、うなずきや目配せに支えられながら、「愛されている自分を実感すること」を大切に過ごしていきたいと思います。愛されて育った体験が、やがて次に出会う人を信じ、自分を信じる力となっていきます。何より、創造主である神様と救い主イエスさまが、確かなまなざしを注がれ、弱く、つたない私たちに対しても、「あなたがたは神に愛されている子供です」とおっしゃり、重荷を担ってくださりともに歩んでくださいます。子ども達の豊かな発想、つぶやきに耳を傾け、丁寧なかかわりを持ちたいと思います。
春の日差しを受け、たくましく育つパンジーのように、温かなまなざし支えられ、豊かな経験を栄養にして根っこをしっかり張り、様々な環境にも柔軟に対応していく子ども達が育まれるよう心尽くしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
文責 園長 古川千尋
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