学校法人 鈴蘭幼稚園

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前月までの園長のことば

すずらんの花2023年度
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3月「かみさま ありがとう」

今年も大雪が降りました。子ども達は、「雪で何つくろうか」「どんな味がする?」素手のままで雪を触ってみたり、空を見上げて舌を突き出したり、降り積もった雪に足跡を付け、ぎゅっと鳴る音や深みにはまる感触を楽しんだり。子どもはドキドキ・ワクワクを優先し楽しみます。「『できるだろうか』と少し不安に思いながらもやってみて、『できた』と思えた時に脳の働きが著しく活性化し,学習が急速に進む」と脳科学では言われております。大人が、「雪遊びするならちゃんと支度して」「凍っている場所があるから走ると危ないわよ」と長く生きている中での知恵として、先々を心配して子どもに伝えることと、子ども達の未知なる発想や新たな一歩を踏み出そうとする姿。どちらも、寒い信州の冬を過ごした日のエピソードとして心に刻まれることでしょう。

園庭には、いちょうさんがトトロの形の大きなかまくらを作り上げました。穴を掘って出てくる雪は手際よく分担して運び出し、「顔はどうする?」と皆で試行錯誤する姿を、少し離れた場所ですみれさんの男の子が見つめていました。次の日の朝、その子がお家の方の手を引いて、まるで自分が作ったかのように嬉しそうにそのトトロかまくらに案内し、中に入っていく姿がありました。
人数が少なかったこの大雪の日は、たんぽぽさんといちょうさんが一緒に昼ご飯を頂きました。いちょうさん女の子二人に囲まれ、同じように姿勢よく食べる子に、「3人共、いちょうさんかと思ったよ」と声をかけると、ちょっと鼻高々に、ニコッと笑うたんぽぽさんがいました。
年長児お片付け当番:庭の遊具の入っているおもちゃ箱を数人で運び、高さのある収納ラックに収めようと、「もう少しそっち持ち上げて」「さあ手を放して!せーのっ!」要領よく片づけをしてくれます。片付け当番の引継ぎもこれから。すみれさんが気付いて、「教えてください」と聞きに行くのか、いちょうさんから、「私たち3月でいなくなるんだから、伝えておかなくっちゃ」と伝えに行くのか・・・・ このやり取りも、単なる仕事の引継ぎとするのではなく、今まで最年長児としての役割を担ってくれたいちょうさんへの、「ありがとう」の気持ちが伝わるよう導きたいと思います。

一年間を通して、大きい人達のすることをよく見て真似をし、『おしらせいたします!』のアナウンスに誘われて、たくさんの遊びに招かれ刺激を受けました。関わり方は様々ですが、大きい人のする事やたたずまいからたくさんの影響を受けた年下の子ども達です。
いちょうさん、自然にあふれだす小さな人達への心配り、今まで本当にありがとう。素敵な子どもに育ちました。
子ども達がこの一年、神さまのお守りの中で確かな成長が与えられたことに感謝いたします。そして子ども達それぞれが持っている成長する芽を、穏やかな春の日差しのように温かく見守り、お子さんと共にいて下さり慈しみ育んでこられたお家の方に心から感謝いたします。どうもありがとうございました。

文責 園長 古川千尋

 

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2月「わかちあう」

昨年12月、クリスマスの喜びを知ったいちょうさんは、その出来事をたくさんの人に伝えようと降誕劇に取り組みました。少ない人数の中、1人ひとりが大切な役を担い、また役の他にも物語を進めていくナレーターの長い台詞を覚え、少しずつ劇が出来上がっていきました。劇の練習を始めてから、なかなか全員が揃わない日が続き、初めて全員が揃った燭火礼拝の日。降誕劇が終わり、礼拝堂から退場してきた子どもたちに感想を聞いてみると、「お母さんたちがいっぱい見てくれて嬉しかった」「緊張したけど、ちゃんとできてよかった!」やり遂げたと達成感を感じている子、安心してほっとする子、様々な表情を浮かべる子どもたち。その中で1人の子が「初めてみんなでできて嬉しかった」と話してくれました。劇を作りあげていく中で、様々な思いを分かち合ってきたからこそ、全員で力を合わせて作りあげた喜びを皆で感じることができた瞬間でした。

2024年の始まりは心苦しい災害や事故が続き、今もなお、大きな悲しみやこれからの生活へ不安を抱えている方がたくさんいます。私たちにできることは少ないかもしれませんが、他人の痛みや苦しむ心に寄り添える人でありたい、また子どもたちにも他人の痛みに気付き、寄り添える人に育っていってほしいと願います。

聖書「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」ローマの信徒への手紙12章15節

文責 矢嶋

 

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1月「やってみたい」

2学期、ふたばさんはあがたの森公園へ、たびたび散歩に出かけました。特に夢中になったのは、ドングリ拾いでした。形の違いに気づき、ドングリ山を何度も登り下りして、袋いっぱいにするのを楽しみました。すっかりドングリとお友達になったふたばさん。ドングリペンダントを作るコーナーを用意しておくと、お友達が作るのを見て、「やってみたい」という子が日に日に増えていき、ぺンダント作りはブームになりました。気がつくと全員が関わって、50個以上のペンダントができあがり、「わーいっぱい」と歓声が上がりました。「鈴蘭幼稚園のお友達と同じくらいの数だね」と保育者がつぶやくと、「みんなに分けてあげたら?」とT君。それから秘密のプレゼント計画へとつながっていきました。「たくさんのペンダントを、どうやってお兄さん・お姉さん達のお部屋に運ぼうか?」と保育者が尋ねると、「段ボールでトラックを作って運ぶ」と伝えてくれた子がいました。すると「ねえ、段ボールって何?」と聞く子がいたので、保育者が段ボールとガムテープを置くと、「作りたい」「ここをテープではりたいよ」と、みんな興味津々の顔つきに変わりました。みんなで一緒にガムテープではること、長くつなげること、マジックやクレヨンで塗ることが「おもしろい」につながっていきました。「先生、これはみんなのトラックだから、みんなのお名前をここに書いて」と伝えてきた子どもの言葉には、意表をつかれました。渡す時の言葉を聞いてみると、「『はいどうぞ』って言ってあげたい」と伝える子もいました。ペンダントトラックの出発!お部屋に入るとちょっぴり恥ずかしそうでしたが、一人ひとりの子どもに優しく渡すことができました。すぐに首にかけて「ありがとう」の言葉を伝えてくれたお兄さん・お姉さん達。今まで、おすそ分けやプレゼントをもらったり、お世話をしてもらったりして、たくさん「ありがとう」を伝えてきたふたばさん。この日は「ありがとう」を言ってもらえて、とても嬉しそうでした。ドングリ拾い、ペンダント作り、トラック作り、プレゼントを渡すことへと、一人の没頭する遊びからみんなで楽しむ遊びへ広がっていく中で、ふたばさんの発想や表現の豊かさを感じました。

鈴蘭の子ども達はいろいろな場所で、一人ひとりが「おもしろい」を見つけて没頭して遊びます。また、「おもしろい」が広がって、「一緒にやってみたい」につながり、仲間と経験する中で、学び合っていることがたくさんあります。

1月は冬の自然の中で、新しい遊びが紡ぎ出されることでしょう。「やってみたい」「おもしろい」が深まったり広がったりして、遊び込める環境を支えていきたいと思います。

文責 中村

 

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12月「喜びあう」

少し前の事、「今日からふたばさんに○○ちゃん来るんだよー」と大きな声で触れ回る年長児がいました。ずっと待っていただけに嬉しさがあふれ、皆に伝えたいと思う姿はこれから始まるアドベント(待降節)に聞くお話、「しるしの星」の様でした。また、イエス様のご降誕後を記した聖書箇所に登場するシメオン、アンナが喜びに満たされる場面にもつながるように思え、一足先にクリスマスを味わったような暖かさを覚えました。

今年の感謝祭礼拝では皆が持ち寄った野菜や果物を見ながら、礼拝では、「実りの秋」の話を聞き、2部の会では果物のお届け場所の紹介、「何の野菜でしょう」クイズ、そして教師の「大きなかぶ」の劇が行われ、楽しい嬉しい時を皆で過ごしました。また、久しぶりに一つの場所に集まっての豚汁パーティ。コロナ禍に分散し黙食を行っていた頃とは違ってとても賑やか。豚汁や浅漬けを前にして、「私は大根を皮むきしたの」「野菜なら全部得意だよ!」「この味、気に入った」「これ(おにぎり)に入っているの、カブの葉っぱなんだよ」とおしゃべりに花が咲き、野菜が苦手と聞いていたたんぽぽさんがお替りして豚汁を食べる様子もうかがい知ることができ嬉しいひと時でした。礼拝では、「1日遊べて良かったです。遠くの国ではご飯が食べられない人やお水が飲めない人がいます。その人を守ってください。ロシアとウクライナでは戦争をしています。1日でも早く終わるといいです」 とお祈りしてくれたいちょうさん。食前の祈りではふたばさんが、「・・・・さい。・・・した。このおいのりを イエッしゃまのおなまえをとおして おささげいたします。アーメン」と語尾を合わせる微笑ましい姿もありました。混迷する世界情勢を心に留めながらも、日々成長していく子どもの姿を神様に感謝し、一緒に食事を囲む和やかな空間、喜びを分かち合えることのできることに幸せを感じた時です。

イエスさまが約2000年前に、この世の光として生まれてくださったクリスマス。物があふれ、物質的な豊かさを求め導くクリスマス商戦が早くも始まっておりますが、幼稚園でのクリスマスは、何気ない生活の中にたくさん恵みがあることに気づき感謝し、穏やかに過ごせることを喜び合うとともに、精神的にも肉体的にも疲れ疲弊し、言葉にもならず、 もがき苦しむ悲惨な状況にある人たちを覚え、クリスマスの恵みが世界中に届きますよう、平安の日々が与えられますようにと祈りながら過ごす日々としたいと思います。

その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである
聖書( ヨハネによる福音書 1章 9節)

文責 園長 古川千尋

 

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11月「深まる」

9月まで続いた夏のような暑さから一転、すっかり秋の装いとなりました。秋は、神さまが創られた世界をより一層感じる季節であると思います。実りの秋といわれるように、森や林、野や畑では、さまざまな木の実や作物が実りの時を迎えています。あがたの森への散歩で、たくさんのドングリを拾ってきた子どもたちは、さっそくそれを使って遊びを考え始めます。やじろべえや首飾りにしたり、牛乳パックを開いてスロープにしてドングリを転がすおもちゃを作ったり、ドングリが食べられると知ると、団子にして食べてみようと相談したり、ドングリという木の実ひとつでたくさんの遊びが展開されていきます。そして、こうした遊びの中でなされる子ども同士の会話や思いの共有、ぶつかり合いと協力などを通して、友だちとの関係がますます深まっていく子どもたちの成長を見る喜びの時ともなっていきます。

11月の月主題は「深まる」です。深めるではなく、深まるという表現になっているところに注目してみたいと思います。植物や小動物が季節ごとに姿を変えていくように、人も育つ時が与えられているのです。それは、子どもだけでなく親も教師も一緒です。神さまが与えてくださる深まりは一人ひとり違うかもしれませんが、人の思いだけでないところにある深まるという営みがこの時季にはあるということではないでしょうか。それを皆さんとともに見つめ、喜び合いたいと思います。

これから樹々が葉を落とし、冬への備えを始めます。そして、その落ち葉が小さな虫たちの冬ごもりを助け、次の春へといのちを繋いでいくのです。五感を通して秋の実りや季節の移り変わりを感じ、神さまへの感謝の思いを分かち合う11月を過ごしたいと思います。

文責 木下

 

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10月「つながって」

まだまだ残暑が続いていますが、とんぼを捕まえたり、野菜が実って収穫ができたりと、秋を感じています。

10月のねがいのひとつに“明日への期待や、目的をもって遊ぶ姿が増え、試行錯誤しながら工夫したり、互いにアイデアを出し合うようになる”とありました。落ちていたとちの実を使って、とちの実笛を作り始めた子どもたち。小さな手で小さなとちの実を持って、一生懸命に実を掘り出します。硬い実は上手く掘れなくて苦戦する子も。ですが、掘るために使う竹串の角度を変えて掘ってみたり、友だちに手伝ってもらったりと、様々な工夫と協力を得て笛が完成!吹くことにもコツがいるようで、音が鳴るまで吹き続ける姿も。綺麗に音が鳴るにはどうしたらいいんだろう、と吹き方を変えてみます。穴に直接息を吹きかけたり、口をつける位置を変えてみたり、ただ吹くだけではなく試行錯誤している姿がありました。

子どもたちの工夫する力を目の当たりにし、さらにとちの実笛を作った経験のある子が、音がなかなか鳴らない子に「もうちょっと掘ってみたら?」「穴が大きいのかも」と様々に自分の考えを伝え合っている姿もありました。意見をもらった子もやってみようともう一度挑戦します。素敵な関係だなと感じました。クラスでも話し合いは多くありますが、こうした日々の日常の中からでも、自分の考えを周りに共有して、お互いを高め合っている、そんな子どもたちを今後も見守っていきたいと思います。

文責 深澤

 

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9月主題「おもしろい」

幼稚園には背の高い木が沢山あります。エノキ、トチ、コブシ、オオヤマザクラ等々。夏の預かり保育時に、その木々に集まるセミの鳴き声を頼りに捕まえ観察しました。「こっちはアブラゼミ、こっちはミンミンゼミだね」「樹の汁を吸うために、口は針みたいなんだよ」「セミはオスしか鳴かないんだよ」「そうだよね~、メスは鳴かないよね~」色々と教えてくれる子ども達。「どうしてオスしか鳴かないの?みんなは男の子にも女の子にも、『一緒に遊ぼって』言うでしょ?」「でもオスがメスを呼んで鳴くんだよ」「なぜ呼ぶの?」「う~ん、迷子にならないようにかな・・・・」子どもたちなりに考えますが、「鳴くのはオスなんだよ‼」の答えに終始します。覚えた情報があると得意気に話してくれ、よく知っていると感心するのですが、あまりに知識が先行すると、本来子どもが探し出す不思議さや疑問に思う心を邪魔してしまうのではとも感じます。大人が良かれと思い先走りしてやりすぎてしまったり、口出ししてしまう・・・特に余裕がない時にありがちですが、子どもが試したり失敗する経験を奪ってしまったなと反省することしきりです。

7月末に同窓会が行われ、小学生がいくつかの問いに答えてくれました。
Q.『鈴蘭幼稚園が学校と違って楽しい所はどんなところでしょうか』
A.『自由が多い』『いっぱい遊べるところ』『勉強がない』この答えに、授業と授業の間の休み時間が短いことを嘆いているのか、それとも文字通り、勉強は、勉(無理に力を出して励む、努める)ことを強いられる場所だと訴えているのではと考えさせられました。

夏休み中、幼・保園長、小学校長会があり、そこでもこの話題を投げかけました。今小学校でも重要視されている、「協同的な学び」と「個別最適な学び」につながる児童生徒が自己調整しながら学習を進めていくことができるよう指導する課程がなかなか進まない現状を伺ってきました。言われたことを言われたとおりに知識として身に付ける学習では・・・窮屈さを覚える子ども達が多いのにも納得です。

夏休み前、庭をあちこち削り迷路のようにして何度も水を土山から流したり、溜まった泥水のぬめり具合を確かめるように手足を突っ込んではしゃぐ姿がありました。「水はどうしたら二手にスムーズに流れるか」「水に浮く物は何か」暑さを忘れて没頭する日々。
豊かに使える水や土、子ども達を癒す木陰、自然が届けてくれる様々な音色と子ども達の歓声が調和する空間。毎日穏やかに過ごせることに感謝を覚えながら、実体験から生まれる子ども達が、「どうして?」と興味掻き立てられ、「次はこれやってみよう」と前のめりになって楽しめる環境を整え、保育者も一緒に、「ああ、これっておもしろい!」「楽しいね!」という経験が沢山できる2学期にしたいと思います。

文責 園長 古川千尋

 

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8月「祈りあう」

暑い夏。子どもたちにとって、とてもわくわくする季節がやってくると同時に、1学期が終わろうとしていますね。

夏の暑さがあるからこそできる楽しいことのひとつ、水遊び。汗ばむほど暑くなった日に、今年も園庭での水遊びが繰り広げられ、あちこちから「きゃー!」「冷たい!」などといった歓喜の声が聞こえてきました。くるくる回るスプリンクラーに近寄っては離れて…を繰り返したり、ゆらゆら動く風船めがけて水鉄砲を発射したり。時間が経つにつれ、子どもたちの動きはダイナミックになっていき、最後はその中でできた水溜まりにお尻をつけながら泥遊びへと発展していきます。水や泥に触れることで、五感が刺激され、子どもたちの心が明るく開放的になっていく姿を見ると、こうした経験ができることをありがたく思います。おうちの方々、いつもお洗濯ありがとうございます。(子どもたちがよく遊んだ結果なのだと大目に見てくだされば嬉しいです)

また、夏の暑さがあるからこそ、各クラスで育てているお野菜がぐんぐん大きくなってきました。みんなで育てることを初めて経験するたんぽぽさんは、毎日きゅうりの生長に目を向けています。「土が乾いているから、きゅうりさんお水飲みたいって!」と水をあげてくれる姿は、本当に可愛らしいです。子どもたちの興味が湧くようにと(何より私が一番やりたかった…!)、ハートや星型のきゅうり作りに初めて挑戦した結果、見事、大成功!形が変わったことで、初めて口にできた子がいました。この時期だからこそ育った神さまからの自然の恵みに感謝です。

1年の中で最も“平和”ということを考えさせられる8月、毎日のこうした小さな出来事は、まさしく“平和”そのものではないでしょうか。今月の月主題は、『祈りあう』です。園で子どもたちと一緒にお祈りをする時、お休みをしたお友だちを想う言葉の他に、ロシアとウクライナで続く戦争の中にいる人々の平和を想う言葉が聞かれます。子どもたちにとっては、戦争というものがまだ想像しづらい出来事かもしれませんが、今、ここに居ない人たちのことを考え、思いを寄せて祈ること大切にしたいと思います。夏休みの間、お子さんと一緒に「平和ってどんなことかな」と考えてみたり、日々の生活の中で見過ごしてしまいそうな小さな幸せを嬉しく感じたりしながら過ごせるといいですね。

文責 髙附

 

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7月「心ひらかれて」

6月に入り、3人の新しいお友達が幼稚園に仲間入りしました。新しいふたばさんが、もりのお部屋に用意されていたビーズ通しを始めると、傍らに年中・長の男の子達が来て、「こうするんだよ」と自分も楽しみながら教えてくれます。自由画帳に絵を描き始めると、今度は年長の女の子達が一緒に絵を描き始めました。子ども達には改まった自己紹介は必要ないようです。たんぽぽさんでは、「ここに座って」と椅子を二つ並べ、新しいお友達を座らせて絵本読みをしてくれる子がいました。(文字は読めないので絵本を使った創作物語!)その二人に、もう一人年少児が加わり水筒のお茶を飲みに行ったのですが、「ちょっと待って、一緒に!」とタイミングを合わせて、「かんぱーい」水分補給の楽しい仕方に感心です。その後はままごとコーナーに行き、ランドセルに様々な食材を詰め込んで出かける用意。すでに意気投合していました。もう一人の子は、お外で砂遊び。近くでブランコ(ターザンロープ)をしている人を見て、自分でもブランコに飛び乗る仕方を真似し、一生懸命乗ろうとしていました。乗ったもののなかなか揺れない様子を見ていたお友達が、背中を後ろから押してくれて・・・

小一時間ほどの出来事です。新しい人たちも、「ここではこんな事ができるんだ」「こんなふうに遊んでいいんだ」「優しいお友達がいるんだ」心をひらくきっかけがたくさん見つかった様子でした。 また、在園児のフレンドリーさは、園を訪れる人達からも感心されます。「シエルさーん、美味しいパン、ありがとねー!」今までしてもらって嬉しかったことを、今度はする側になる。・・お友達の思いに寄り添い、共感し、必要な時に自分で感じて動き出す。鈴蘭の子ども達の目に見えない、はかる事の出来ない力の育ちを嬉しく感じております。

心が解き放たれるためには、相手や場所など、取り巻く環境への安心感や信頼が必要です。子どもも大人もそれは同じです。言葉でまだ表現できない人には、表せない思いにも心を寄せ受けとめていく事を大切にしようと思います。
「『子供たちを私のところに来させなさい』…(中略)…そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された」マルコによる福音書10章13~16節

偉い先生に触れてもらえたらその子は幸せになれる。我が子を思う親心でした。でも弟子たちは、「イエスさまを煩わすんじゃない」と言うかのように子どもを追い払おうとします。弟子たちなりにイエスさまの心労を配慮しての事かもしれません。しかし、そんな様子にイエスさまは弟子たちを制し、子ども達を招かれました。

私達も、子どもをありのまま受けとめるイエスさまのお姿に倣いたいと思います。そして子どもに寄り添いながらも、次の、「関わってみたい」「遊びたい」「挑戦したい」という気持ちにつながるよう子どもの興味を見極め、次に展開すると考えられる環境を様々整えながら、一緒に遊びを楽しむ仲間になっていこうと思います。

文責 園長 古川千尋

 

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6月「見つける」

5月12日、今年度一回目の「つくしの会(未就園児の会)」が行われました。昨年までは在園児との交流を控えていましたが、今年からはコロナ前に戻り、在園児と交わりながら幼稚園での遊びを体験し、楽しんでいただくことにしました。また、年齢層も広げ、1歳6ヶ月以上の未就園児からお受けすることにしました。今までよりも小さなお友だちが来るということで、迎える先生たちも子どもたちも、少しドキドキしながらの第一回目となりました。会が終わった後、いちょう組の窓口教師からこんな報告がありました。「鉄棒のところで、女の子2人がつくしさんに“こうやるとね…”“今はできなくても大きくなったらできるようになるよ”と、一生懸命逆上がりのやり方を教えていたんです。確かにつくしさんには難しいことだけれど、2人の様子から、小さいお友だちのお世話をするんだという年長児としての責任感のようなものを感じたんです」また、すみれ組ではお店屋さんごっこが始まり、つくしさんとのやり取りがうまれていました。庭で水遊び(池づくり)に夢中になっていたたんぽぽさんの横でも、何人かのつくしさんが水遊び・泥遊びを楽しんでいました。おうちの方も「家ではできないので、嬉しいです」と、お子さんの姿を見て喜んでいました。年次によって関わり方は違うけれど、小さいお友だちと在園の子どもたちが一緒に過ごすことで動き出すことがあることを実感する一日でした。

6月の月主題は「見つける」です。6月からは、満3歳児ふたばさんの入園も始まります。さまざまな交わりの中から互いに見つけるものもあるでしょう。一人でじっくり見つめ、見つけるものもあるでしょう。友だちと試行錯誤しながら見つけていくこともあるかもしれません。さまざまな場面で心が動き出した5月の経験から、友だちと、先生と、好きなあそび場で安心して過ごせるようになった子どもたちが、どんなことに思いを寄せ、何を見つけていくのかとても楽しみです。私たち大人も、結果に先回りするのではなく、見つける過程を子どもと一緒になって楽しみたいですね。

文責 木下

 

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5月主題「動き出す」

ドキドキ、ワクワクしながら迎えた4月。新年度が始まってから数日が経ち、入園した子どもたちも少しずつ新しい環境に慣れて笑顔が見られるようになってきました。進級した子どもたちは、新しいクラスになったことに喜びを見せる子もいれば、涙を流し自分の気持ちと葛藤しながらも少しずつ変化を受け入れようとしている子もいます。

すみれさんになってから1日目の日、帰りの会で“だるまさんが転んだ”をして遊びました。遊びが終わり、部屋に戻ろうとすると、子どもたちの身体は自然とたんぽぽさんの部屋へ…。「あっ!こっちじゃなかった~」と戻ってくる可愛らしい姿がありました。環境の変化がある4月は特に、子どもたちもおうちの方も変化に戸惑いや不安を感じることが多くあったかと思います。それは行動に現れなくとも、心の中で感じていたり、自分では気付かなかったり。慣れるまでには人それぞれのスピードがあります。一人ひとりのペースに寄り添いながら、ゆっくりと生活に慣れていくことができるように私たちも支えていきたいと思います。

新生活に慣れてくると、今まで見えなかったことが見えるようになり、「やってみたい!」と様々なことに興味、関心が出てきて、心が動き出していくことでしょう。今週、アリを発見した子どもたちが、「アリは何を食べるんだろう?枯れ葉や濡れた落ち葉かな?」探していると、「落ち葉はダンゴムシの食べ物だよ」「アリは甘いものが好きだよ」と教えてくれるお友達がいました。「しょっぱいものは食べないのかな?」さっそく砂糖と塩を持ってきて観察してみると…「砂糖を食べてる!やっぱり甘いものが好きなんだね。みんなに伝えてこよう!」新たな発見を喜び、心を動かしながら遊ぶ姿がありました。

生活や遊びの中で、子どもたちの心が動く瞬間を捉え、教師も共に心を動かし、探求しながら遊びを深めていきたいと思います。「このお花はなんていう名前なのかな?」「この虫はなんだろう…?」5月は子どもたちが夢中になるものがたくさん出てくる季節です。子どもたちから、どんな面白い発見を聞くことができるのかな?今から楽しみにしています。少しずつ行事も増え、連休明けには春の遠足があります。季節ならではの動植物にたくさん出会い、触れながら、心も身体も動かされる体験を通して、楽しく過ごしていきたいと思います。

文責 西澤

 

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4月 年主題 ともにつむぎだす ~希望の中で~ 4月主題「よろしくね」

昨年度、西側園庭を広げることに伴い、キアゲハが住み着くカラタチの木を泣く泣く伐採しました。その代わりにと、子ども達が虫好きと知っている園関係者がミカンの苗を用意し、クロアゲハを住まわせ5㎝越えのアオムシ数匹が付いた苗ごと贈ってくれました。20匹ほどのサナギが息を潜めて飼育ケースで羽化する時を待っております。この暖かさだとそろそろアゲハのなる様子が見られそうで楽しみです。

年少が準備したチューリップが、アゲハが、新しい生活を始めようとしている子ども達を祝福する4月。
創立100周年の記念誌を作る際、年度始まりの様子をたくさん写真に残しました。園生活をする中でできるようになった「おはよう!」の挨拶を門前の教師に投げかけ、意気揚々と登園する年長児の姿や、「ほらすごいでしょ」と言わんばかりに、両手に自分の荷物を持って重たそうなアピールする姿が捉えられました。また反対に、お母さんの足にギュッとしがみつき離れなかったり、お父さんの後ろに隠れてそっと園内をのぞき込む姿があったり・・・泣いて登園し、落ち着くまでしばらく教師に抱かれているような様子もカメラに収められました。

うまくいかないことやドキドキする経験があると、お家の方と離れがたかったり涙が出たりすることもあると思います。それは、お子さん一人一人が敏感に環境の変化や状況を感じ取り、心を動かしている証拠です。急がなくても大丈夫、あなたの歩むペースで大丈夫、見守っているよ。一緒にいるよ。という事がわかるよう寄り添い受けとめたいと思います。

また、不安の原因は何なのかしら。 起こっている出来事を子ども達と共に自分事として捉え、考えていく機会を大切にしていきたいと思います。共に育ち合う仲間が、時にぶつかったとしても、希望を持ちながらそれを乗り越え、分かち合い、許し合い、次に歩みだす糧としていくことができるよう支える教師・保護者集団でありたいと願います。

聖書『主なる神は言われた。「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう」』創世記2章18節

人は一人では生きていく事はできません。助け合う事で生きているのです。どんな条件の下で生まれても、目の前の人生を丁寧に織りなしていく事が求められております。
一人一人が全て違った賜物(タラント)を神様からいただいているこの命を大切にしながら、また、その違いを受け入れる心を大切に求めながら、豊かな幼稚園生活をともにつむぎだす仲間としてこの一年を歩みましょう。

今年は桜の咲き始めるのが早く、春休み中にお花見をされた方も多かった事でしょう。いつもはスロースターターの幼稚園のヤマザクラも今年はほぼ変わらず一緒に咲き始めました。子ども達が楽しみにするお花見弁当の時まで咲いていてくれることを願っていますが。

文責 園長 古川千尋

 

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