学校法人 鈴蘭幼稚園

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前月までの園長のことば

すずらんの花2022年度
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3月「信じて進む」

2月、久しぶりに大雪が降りましたね。天気予報とにらめっこしながら、「降園が大変になるようなら、お家の方に早めのお迎えを連絡しましょう」「この事務作業は後回し。雪かきしないと!」と予測と不安と備えとに追われました。雪かきショベルを持って庭を出ようとするとたんぽぽさんから、「おねがい!雪のお掃除しないで」と叫び声が。「お庭の雪は残しておくから大丈夫だよ」微笑ましく思いながらも真面目な顔で返答しました。大人には厄介な大雪でも、子ども達にとっては格好の遊び素材なのです。昼食が終わったころお迎えのお家の方が、「大変な大雪になりましたね。雪かきありがとうございます」と声をかけてくださり次々と降園されていきました。早く帰りたい大人をよそ眼に、子ども達はわざわざ雪の深みに足を踏み入れ歩いたり、木の枝を揺らして雪がはらはら落ちる様子を楽しんだり。お家の方と共に“雪道探検隊“のごとく、雪かきしていない道を選んで歩いて帰る姿も見られました。子どもは無邪気で好奇心の塊なのです。帰り道を急ぎながらも、子どもがすることに寄り添ってくださるお家の方も印象的でした。

話題の最新絵本『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』 著者:ヨシタケシンスケ
「いつか かしゅになりたいの かみはこんなにくちゃくちゃだけど」から始まり、「いま すきなひとがいるの かかとはこんなにガサガサだけど」と続きます。現状をどうとらえるのかが描かれていて、文章・絵ともに大人でも楽しめる絵本。

「ほしいものがてにはいったの。第一希望じゃないけれど」(どんな場面を想像しますか‥・⁈)深刻に考えなくてはならない場面、辛辣な内容や情景も描かれていますが、それは日常いくらでもあることなのだと気が付きます。その状況をどうとらえるのか。何を根拠にすれば、肯定感を持ちながら物事に対処できるのかを考えさせられた絵本でした。

感染症対策、終結が見えない争い、大地震による大きな被害、子どもを取り巻く痛ましい事件や事故。その中で幼稚園の生活は、幼い者が健やかに過ごす環境をと、皆で共に考え、心砕く日々を重ねてきたように思います。お友達とぶつかり合いながらも、知恵を出し合い、一緒に励まし合って乗り越えたこと。自分で挑戦・経験してやり切ったこと。そしていつもお家の方やお友達や先生、そして、「私はあなたがたと共にいる」とおっしゃる神様が見守り応援してくださっていたことが子ども達の胸に刻みこまれることでしょう。この安心感がこれからの新しい生活へと進んでいく力となる事を信じて祈ります。様々な場面で、お子さんに寄り添い成長に関わってくださったお家の方々、本当にありがとうございました。

文責 園長 古川千尋

 

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2月「響きあって」

冬の寒さに負けず、園庭では子どもたちの元気な声が響きます。雪が降り積もった時には、真っ先にお庭に出て、雪だるまや雪合戦をして遊ぶ姿があります。「手が冷たい!凍っちゃうよ!」と自分の真っ赤な手を見つめて、みんなと雪の楽しさを共有しています。

外での楽しみもありながら、お部屋では考えながら物づくりを楽しむ姿がありました。お友だちの制作したものに興味津々の様子。「僕も、あれ作りたい!どうやって作るの?」そんな会話が聞こえます。自分が納得のいくまで一生懸命作ります。ふと、作る手が止まります。どうしたのだろうと様子を見ていると、「ここはもっとこうしてみよう」と呟きました。お友だちが作った物と一緒ではなく、自分なりに考えて試行錯誤した結果、みんなとはまた違った物が完成しました。その周りにいた子たちも「すごい!」「どうやって作ったの?」と集まってきました。お互いに刺激し合い、自分の考えを持って、過ごせている子どもたち。一人ひとりを認め合い、それぞれの考えや思いを受け止め、共に遊び共に生きる喜びや楽しさ。また一人になってじっくり遊ぶことも大切にしていけるように支え、見守っていきます。

3学期に入り、新しい学年になる準備がいよいよ始まります。子どもたちが、精一杯に今を楽しく、印象に残るような一日一日を過ごしていけますように。

文責 深澤

 

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1月「つたえあう」

アドベントを迎えクリスマスの準備をする中で、降誕劇やプレゼント作り、今年はどんなものになるかしら?と心ワクワクさせていた生活から一転、新型コロナウイルス感染症が幼稚園に蔓延し、心穏やかに過ごすとはいかない日々を送りました。お家の方々も感染してしまったという報告も受け、感染対策は気を抜かずにしてきたつもりでしたが、様々な方々にご心配とご迷惑をおかけしてしまい申し訳なく思っております。

そのような状況の中、年長では、欠席者には降誕劇の台詞をプリントにして一人一人に郵送し、お休みしている間でも劇の備えができるようにと配慮しました。きっとお家の方が手伝ってくださり、台詞の掛け合いをしたり、ミニ劇ごっこをしたりと工夫して過ごされたことでしょう。例年でしたら燭火礼拝までは、「どんなことをするかは内緒にして。」と準備する降誕劇。今年は一緒に練習に関わってくださったお家の方も、気持ち的には演じる側の気分で燭火礼拝へ参加されることとなり、より感慨深い時を得るのではないでしょうか。

また、各年次で欠席者が多くいる中、大好きな人へのプレゼント作りなども一斉にはできないもどかしさがありました。しかし、その分一人ひとりと時間をとりながら教師が関わり、その人らしい表現の仕方や手指の動かし方などの状態もつぶさに把握できる機会を得ました。
きっと神様が良い道を備えてくださると祈りながらも、一方では憂鬱で心ひしゃげて過ごしていたいたこの時が、振り返ってみるとクリスマスの恵みをたくさんいただいていたと捉え方を新たにしたアドベントの期間です。

1月の月主題は、「つたえあう」です。自分の思いや考えを進んで伝えようとすること。思いや考えを相手にわかりやすく、適切な言葉を使って伝えること。そして、相手の話を聞き、相手の思いを理解しようとすることが、「つたえあう」という意味です。それには、伝えたくなる相手がいて、安心して伝えることができる環境があり、絶対的に受けとめてもらえる信頼がある事が前提です。降誕劇をしてみての感想、大好きな人へのプレゼント作り、様々な祈り‥・・・・ アドベントの期間を過ごして思ったことなど、「つたえあう」ことで、互いのつながりが深まる時が豊かにありますようにと祈ります。

そして冬休み。ご家族のみならず、親戚の方々とも、「つたえあう」ことが喜びの時となり、新学期には満たされた表情の子どもたちと再会できることを楽しみにしております。

文責 園長 古川千尋

 

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12月「喜びあふれて」

秋の彩りあふれる園庭。ジャングルジムにのぼって庭を眺めていた年少さんが「先生見て見て、葉っぱの火事だよ・・・」と。(赤く色づいた葉っぱがホールの屋根に覆いかぶさている光景)「僕、消防士さんになって消してくるよ」と言って急いでおりて走っていきました。その横にいた消防車が大好きなふたばさんも「まってー」と言って跳び縄(ホースに見立てて)を持って走っていき、消防車ごっこを楽しみました。

鈴蘭幼稚園の庭は街中にありながら、自然豊かで、四季の移り変わりを感じ、動植物の生命の尊さを受けとめる環境が整っていると思います。4月からの園庭での自然との関わりを思い出してみます。実ったフサスグリやクワの実、野イチゴ、姫リンゴを摘んで皆で味わいました。たくさんの野菜も育てて、皆で分け合って食べ、スイカわりも楽しみました。サツマ芋は280本も収穫でき「こんなにいっぱいとれたね。」と歓喜の声。生き物もたくさんいます。アゲハチョウの幼虫、セミ、カマキリ、クワガタ、バッタ、ミミズ、ダンゴムシ、トンボ、カタツムリ、カエル等を見つけて、手に取り観察したり、飼育したりする中で多くの発見をしました。落ち葉や榎の実、小枝、藤の実、栃の実等の自然物は、砂遊びの創造性を膨らませてくれました。小さい庭なのですが、自然とのふれあいの中で、いっぱい歩き、走り、のぼり、しゃがみ、手先を使い、存分に体を動かしました。「不思議なこと」「おもしろいこと」に出会うと、目を輝かせて集中し、根気強く取り組み「明日もやろうね」につながりました。どうしたら高い木の実や昆虫を捕まえることができるか等よく考えました。子どもたちは自然との関わりの中で心が動かされ、目に見える力ばかりでなく、目に見えない心も育っていることを感じます。「神さま、豊かな自然をありがとうございます。自然の中で子どもたちに生きる力が育っていくように導いてくださりありがとうございます」と日々感謝をした11月。

そして神さまからの最大の贈り物、御子イエスさまのお誕生を喜び合う12月を迎えます。鈴蘭幼稚園は、100年前にヘニガーー先生がイエスさまのことを皆にお話しするために松本にいらして「どの子もたいせつなひとり、神さまの子どもたち。」の言葉をいただき歩み始めました。
聖書『マリアは男の子を生む。その子をイエスと名付けなさい』『「その名はインマヌエルと呼ばれる」この名は「神は我々と共におられる」という意味である』
(マタイによる福音書1章21・23節)

先人の方々がどんな時でも、希望をもってクリスマスを喜び祝い、いつも共にいてくださる神さまを信頼し祈り続けてきた100年。その上に今私たちが歩んでいることも喜び合いたいと思います。

文責 中村

 

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11月「分かち合う」

今年、「子ども達に聴かせたい。」とスズムシを手配し整えてくれた教師がいました。子ども達は興味津々、虫の様子を眺めます。「どうやって鳴いているの?」と聞くと、「お口でリーン、リーンって」「?!」「何で鳴いているのかなあ?」「あのね、ご飯の時間だよーって言っているんじゃない?」「そうだよねー、きっと」「なんかおなかすいたね」  数人で顔を見合わせて頷くたんぽぽさん。スズムシが羽をこすり合わせて音を奏でることや、メスを呼んで鳴くという学術的なことはひとまず置いておきました。子ども達があれこれと思いを巡らせ会話する姿はかわいいものです。このような時間を経る中で子どもたちの「仲間意識」が育まれていきます。

反対に、会話のやりとりがまだ難しいのがふたばさん。粘土遊びをしていても、一人が道具を使い始めると同じ道具を使いたくて無言で取り合いをしていたり、他の子が使っている物を何も言わずにすっと持って行ったり。「○○ちゃんも使いたかったんだね。そういう時は、『貸して』って言ってみるといいよ」「ほら、こっちにも同じ道具があるからね。これ、使ってみる?」その子の思いを受けとめながら気持ちを十分表現できるよう、保育者が丁寧に言葉を添えていきます。

子どもたちのいざこざはあらゆる場面で見られます。大人はともすると、「早くごめんねってしなさい」と表面上の仲直りを求めがちですが、上手く解決できなかったモヤモヤした気持ちや、つまらない思いも大切な感情の一つです。そのような過程を通るからこそ、納得して問題解決した時の安堵感や喜びは一層大きいものとなり、いざこざを自ら解決しようとする力が育まれていきます。このような経験が、大きくなったときに価値観の異なる人々と共に生きていく上で、そこに生じる葛藤を乗り越える力に繋がっていくと思われます。慌てずゆったりと子どもの思いを受けとめ、時間をかけて関わっていく姿勢を大切にしたいと思います。

「早く来てって言っているのに、どうして来ないのさ⁈」「ごめんね、今忙しいからすぐには 降りてこられないよ」と私。「忙しいかどうかは自分次第!!」そう言われて思わず笑ってしまいました。創立100周年記念式典の計画、記念誌の発行と追われながら過ごしておりますが、カナダから渡ってきて幼稚園を創設した宣教師の思い、戦争を何とか乗り越え幼稚園存続を実現した当時の方々の思い、子どもたちを中心とした保育への転換を行った保育者の願い。記念式典、記念誌を通して、様々な方々の思いを分かち合う時が持てますようにと祈っております。
それがひと段落ついたら・・・思いっきり子どもたちと遊べるかしら‼

文責 園長:古川千尋

 

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10月「みんなちがって みんないい」

ふたばさんが入園し、更に賑やかになった幼稚園。朝、涙が出る小さなお友だちを見て、「僕は泣かなくなったよ」と自分の経験からお友だちを慮る姿が見られます。「一緒に遊ぼう!」「お名前何ていうの?」と誘って、自ら交わりを持とうとする子や、木の実がある場所を教えてあげる子もいます。「もう涙、止まったね」泣き止んでいるお友だちの姿を見て、安心した様子。ずっと心配してくれていたことが分かりました。

人と人の出会いは、持っている優しさを引き出して、素敵な気持ちにさせてくれるようです。
一方、友だちとの交わりの中で、上手くいかないことも出てきます。葛藤があるからこそ、意気投合した時の嬉しさや解決した喜びを経験できます。

10月の月のねがいの1つは、『1人ひとりのその人(子)らしさに気付いて、おもしろさや楽しさ、素晴らしさ、また難しさも感じ合う』です。子どもたちと、お友だちそれぞれの素敵なところを見つめ合って、過ごしていきたいと思います。

園庭の築山で、いちょうさんとすみれさんの3人がお店屋さんの開店準備をしながら、「ちょっと涼しい」と、風の気持ち良さや季節の移り変わりを感じているようでした。開店のお知らせをすると、木の実や葉っぱを使ったごちそうが並んでいるお店には、たくさんのお客さんがやってきました。

小さなお友だちを誘って、「ねぇ、一緒に遊びまくろう!」と、活き活きとした言葉が聴こえました。一人ひとりがかけがえのない存在。あなたがいて嬉しい。気持ちを伝え合っていきたいと思います。

文責 塩原

 

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9月主題「のびやかに」

2学期が始まり、にぎやかな子どもたちの声が戻ってきました。園庭では、まだまだセミの鳴き声が響き渡り、ギラギラと太陽の日差しも当たり、暑い日々はもう少し続きそうです。

夏休みはどのように過ごされたでしょうか。休み中は、幼稚園では経験できないような体験をできる機会でもあります。コロナ禍で規制がかかる生活が続いていますが、その中でも、遊びからお手伝いまで、できることを見つけようとすると意外にもでてくるものです。また、休み中頑張ったこと、できるようになったことなど、子どもたちの口から様々な面白い話を聞けることを楽しみにしています。

8月は、平和について考えるときが沢山ありました。広島平和記念日、長崎原爆の日、終戦記念日、世界にも目を向けると、現在も続いているロシアとウクライナの戦争。過去の戦争や、遠く離れた国でも今、悲しいことが起きていること、それは年月が経っても、語り継がれていかなければならない大切な出来事だと思います。近くには行けなくとも、苦しみの中にいる人たちのために祈ることも私たちにできることの一つ。平和を願い、これからも子どもたちと共に考え、祈りと共に歩んでいきたいと思います。

9月は暑さが和らぎ、体を動かしやすくなる季節です。夏休み前、いちょうさんに、エルマーから挑戦カードが届きました。挑戦カードの影響もあり、竹馬、鉄棒、縄跳び、逆立ち…など運動遊びへの挑戦を始める姿がでてきました。今まで運動遊びにあまり興味がなかった子も、友だちの頑張っている姿を見たあとに、「私もやってみようかな…」とぽつり。友だちの影響力は大きいものです。やってみたい気持ちを行動に移し、1回やってみたものの、「もお~できない!!もうちょっとでできそうなのに!なんでできないの!」やってみたけれどできないことも大事な経験の一つ。悔しい思いを経験したからこそ、どうやったらできるのかを考えます。毎日コツコツと取り組み、“できる”ことが増えてきた子もいます。休み明けも、子どもたちが「やってみよう」と思ったことを思う存分、のびやかに挑戦していける環境を整えていきたいと思います。

1学期は子ども、そして大人たちも、新しい生活に慣れるまでに緊張や戸惑いを感じながら過ごしてきたことでしょう。2学期は、夏、秋、冬と季節の移り変わりを感じられる学期です。豊かな自然の変化に目を向け、心躍らせる出来事に沢山出会いながら、子どもも大人ものびやかに過ごしていけたらいいなと思います。

文責 西澤

 

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8月「祈り合う」

6月30日 7月1日の二日間、年長児が計画してきた「えるまーおとまりぼうけん」を無事終えることができました。コロナ禍という事もあり、市内幼稚園の多くがここ数年宿泊を伴った活動を控える中、昨年、一昨年は広い場所での宿泊をと幼稚園内で、今年は部屋数を多くしていただきビレッジ安曇野で宿泊活動をすることができました。猛暑のため、水分補給を心掛け、あずみ野公園の散策も時間を短縮してと熱中症対策をしながらでしたが、昆虫植物観察、キャンプファイヤー、野外礼拝等、晴れ日程を満喫した二日間でした。お留守番をしてくださった年中・少の子ども達、お家の方のご理解とご協力に感謝いたします。

“年長児が計画してきた”と記しました。この活動は、当日を過ごす事が子どもたちにとっては欠かすことのできない貴重な体験になるわけですが、そこに至るまでがとても意味あるものなのです。ぼうけんのナビゲーターは、児童書に登場する人物。今年は、「エルマーの冒険」の主人公エルマーが時折年長児に特別なお手紙を届けてくれ、物語の世界へといざない、子どもたちのテンションを盛り上げキャンプまでの日々を寄り添ってくれました。物語の世界に浸りながらも、現実の世界では、自分たちができる事を自分たちで考え計画する日々を過ごします。

その中で、『係を決め、仕事内容を考える』という過程があります。(何の係になるか、ジャンケンやにらめっこで決めたりもします)お祈り係もあり、仕事として、『出発の朝、寝る前、お帰りの会でお祈りをする』ことを決めました。
子ども達のお祈りは、当日お休みをしてしまい残念だった友達の事を祈り、また日常のお祈りでしている、「ウクライナとロシアが戦争をしています。みんなをお守りください」という内容を加えてくれました。

キャンプに行くという、いわばいつもと違いテンションが上がる時であり、鈴蘭幼稚園の子どもたちは楽しみにしている活動ができる状況下にありますが、生命の危機にさらされ安心して毎日を過ごすことのできない子どもたちが世界各地にいるという事、今もなお苦しみ、いつ爆撃されるかわからない状況にある人たちがいるという事が頭をよぎりました。また、楽しみにしていたのに活動に加わる事の出来なかったお友達にも思いを馳せ、仲間の絆、残念な思いも共有する祈りのひと時でした。

祈ることを通して、言葉にして改めて認識する事がある、心にとめなくてはならないことがある事に気付かされます。
「祈り合う」 ・・・‥‥それぞれが抱くネガティブな感情や複雑な思いをも神様に、「なぜですか」と訴えることが許され、また、誰かに祈られているんだと感じることで、「一人ではない」という抱きとめられる安心感も覚える、8月はそんな「祈り合う」時を大切に過ごせたらと思います。

※キャンプ・絵本から登場するナビゲーター等、いちょうさんになってからのお楽しみですので、たんぽぽさん、すみれさんのおうちの方は、上記の内容は内緒! 心に留めておいてくださいね。

文責 園長 古川千尋

 

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7月「あらわして」

雨上がりにキラキラと輝く緑の葉、ゆっくりと動き出すカタツムリ、雨雲の間から見えるおひさまの光など、この時期ならではの自然の美しさに目を向けていた6月。梅雨に入る頃より少しずつ蒸し暑くなり、園庭で砂や水、泥を使った遊びを始める子どもたちが増えてきました。梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏を迎えますね。

日差しが強くなると、やっぱり楽しくなるのが泥遊びや水遊び。子どもたちにとって、園庭にできた水たまりは格好の遊び場所です。裸足になって、どんどん水たまりへ入っていくいちょうさんやすみれさん。一歩足を踏み入れた時の“ぐにゃ”という感触が、子どもたちの遊び心にスイッチを入れるかのように、動きの活発さに拍車がかかります。その姿を何も言わずに、じーっと見つめているたんぽぽさん。『今、何を思っているのかな?お兄さんやお姉さんが裸足になって驚いているかな?それとも、一緒に入りたいって思っているかな?』私の中で思いを巡らせながらも、あえて声を掛けずに、たんぽぽさんから聞かれる言葉を待っていました。すると、水たまりで遊んでいたすみれさんから「あ!!」との大きな声。「先生みて!あめんぼがいる!」と目を見開いて教えてくれました。「本当だ!昨日はいなかったのにね」その言葉を聞いて眉を八の字にしながら「…雨と一緒にお空から降ってきたのかな?」とすみれさん。発見が不思議へと変わっていきます。『どうしてだろう?』不思議を一緒に考えていると、「うん、そうかもよ!」と答えてくれたお友だちが。それは、ずっと様子を見ていたたんぽぽさんでした。一連の流れを見て、たんぽぽさんなりに考えていたようです。また、一緒にいた他のたんぽぽさんも「お空からきたの」と呟いていました。すみれさんの言葉をよく聞いていたんですね。ひとつの場所で、みんなが同じように遊んでいなくても、目には見えない心を同じように動かしていたことを感じた時でした。

神さまが創ってくださった豊かな自然の中での出来事。その出来事を経験した私たち人間も、神さまが創ってくださったもののひとつ。同じ人間がみんな違う顔をしているように、感じていることや考えていることが違って当たり前。また、それを表す方法も違い、言葉で表す子がいれば、身振り手振りと体を使って表す子もいるでしょう。自分を表すその子らしい様々な姿を受け止めながら過ごしていきたいと思います

文責 髙附

 

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6月「探ってみる」

新年度が始まってから1ヵ月と半分が経ちました。新しい環境に緊張したり、戸惑ったりする姿から、次第に表情が和らぎ、笑顔が増えて、のびのびと過ごす子どもたちの姿が見られるようになってきました。

「今日はお弁当持ってきたの!」門前で嬉しそうに話すたんぽぽさん。1日の生活にも慣れてきて、覚えてきた友だちの名前を嬉しそうに呼ぶ姿があちらこちらに。
園庭ではプランターが四方八方に向けられていて、すみれさんがしゃがみこんで、虫探し。「だんご虫は葉っぱが大好きだからね」捕まえた虫を入れてあるカップの中には葉っぱがそっと置かれていて、小さな命を慈しみ、心を寄せる姿にあたたかい気持ちになります。

一番年上のお兄さん・お姉さんとして、様々な場面で活躍してくれるいちょうさん。全園児でお散歩に出かけた日。「たんぽぽさんやすみれさんを守ってあげてね」教師のその言葉通りに、お相手さんの手を引き、優しくリードしてくれました。帰ってきて、「どうだった?」感想を聞いてみると、「列に並ぼうと思ったのに、カメと鯉が見たいってなかなか来てくれなかったから大変だった」「手を繋ぐの嫌って言うんだよ~」いちょうさんなりにリードしようと頑張ったものの、うまくいかなかったことも多数。お帰りの時間にみんなで励まし合いながら、「わたしはこっちだよって優しく言ったよ」「優しく腕を掴んであげたら?」友だちの考えを聞いて、「今度はそうやってみようかな」

毎日様々な出来事が盛りだくさんの幼稚園。新しく経験することや友だち・異年齢児との関わりの中で、いろいろな感情に出会い、探りながら、一人ひとりの世界を広げていってほしいと思います。

文責 川上

 

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5月主題「心地よく」

新しいお友だちを迎えて新学期が始まり、数週間が過ぎました。一番年上になったいちょうさんたちは、少しはにかんだような笑顔で門をくぐり、力強くまっすぐに新しいげた箱へと向かいます。昨年のいちょうさんから引き継いだ当番の仕事をしている姿からは、“これは、わたしたちのお仕事”と、誇りを持って取り組んでいることが伝わってきます。すみれさんたちは、ひとつ大きくなった喜びと共に、進級や転入という環境の変化に大きく心が揺れ動きながらも、自ら一歩踏み出そうとしています。

大好きな絵本を見つけたり、ダンゴムシ探しを始めたり、制作あそびに夢中になったりと、一人ひとりが「わたしはこれがしたい」という遊びを見つけています。たんぽぽさんたちは、風に揺れるカーテンの向こうをそっと覗くようにして、新しい世界に歩き出しています。おうちの人と離れがたくて涙がいっぱい出るけれど、好きな遊びや「ここがいいな」と思える場所も、だんだん見つかってきているようです。

5月、緑がしだいに濃くなり、爽やかな季節になりますね。月主題につながる5月のねがいの中に次のようなものがあります。『木々の葉、空の色、吹く風などに心を澄ませ、自然の中に生かされている心地よさを感じる』遠足や散歩など、園外に出かけて遊ぶ機会も多くなります。園庭での虫や草花との出会いも楽しみの一つです。
また、先生やお友だちと親しみ、一緒に過ごすことが心地よくなってくるでしょう。嬉しいな、楽しいなと思えるできごとが増えていってくれるといいなと思います。

5月の風に吹かれながら、心地よく体も心も弾ませて、存分に遊んでほしいと願います。

文責 木下惠

 

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4月主題「はじめの一歩」

御入園、ご進級おめでとうございます。 お子さんたちも保護者の方も嬉しい気持ちで4月を迎えていることと思います。

新しい生活、初めての事に向かう気持ちってどんなものでしょう。「どんなことが待っているのかな」というドキドキ、ワクワク期待する気持ちと、「出来なかったらどうしよう、何があるのだろうという」知らない事やわからない事に対する不安が入り混じりますね。子ども達も同じです。気持ちがプラスに向かうよう、まずはお子さんの好奇心に寄り添い、興味が途切れず継続できるように支えるとともに、不安でも、まだ一歩踏み出すことができなくても、その一歩が出るまで待つことを大切にしたいと思います。

「この人はどんな人?」「幼稚園ではどんなことができるかな」色々試しながら子ども達は様子を探っています。「おはようございます」の挨拶から始まり、夢中になって遊び、汗をかき、笑い、時には抱き上げられて涙を拭いてもらい、「さようなら」をするまで、視線を合わせて共に時を重ねていくことでしょう。喜びや悲しみを一緒に味わう時間の中で、子ども達は、「自分は認めてもらっている」という感覚を得ます。その感覚が、その後に出会う様々なチャレンジの時の自信となり、よりどころとなっていくのです。

♪「信じることを忘れちゃいけない 必ず朝は 訪れるから 僕らの夢をなくしちゃいけない きっといつかは 叶うはずだよ」『はじめの一歩』(作詞:新沢としひこ)
昨年卒園した年長児が、3学期のお別れ会の際に在園児に堂々と歌って聞かせてくれました。

すべての時を大きな愛で見守ってくださる神様がいらっしゃいます。園生活の時を神様から与えられている大切な時間と信じ、子ども達、おうちの方と共に教師も精一杯生きていこうと思っております。一人ひとりの「はじめの一歩」が守られ、一歩一歩の積み重ねが希望につながっていきますようにと祈ります。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。

文責 園長 古川千尋

 

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