2017年度
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3月「希望」
今年度最後のすずらんだよりとなりました。一年を振り返ってみると、しみじみ子どもたちの成長を感じます。一年近く前の、進級、入園間もない春の姿からすると、心も体も本当に大きくたくましくなりました。
明らかに迎える別れの場面を感じつつ、次のスタートを楽しみに待ちわびる様子もあり、不安と期待の中でも、特にいちょうさんは、幼稚園生活も残すところ何日というカウントダウンに入り、就学という大きなスタートを前に、そのことを受けとめつつ一日一日を大切に過ごしています。お互いを認め合って思いやりと感謝の中で過ごしています。ともに過ごしてきた仲間を、かけがえのない存在であると感じています。そこにあらためて、一年を振り返る時期が来ていることを実感させられます。その時を、大切に丁寧に和やかに見守っていきたいものです。子どもたちが、安心と希望をもって歩みを進めることができますようにと心より願います。
「希望はわたしたちを欺くことがありません」(新約聖書:ローマの信徒への手紙5章5節)そうです。私たちには、希望があります。暗闇の中にあっても、希望の光がきっと照らしてくれます。神さまのあふれる愛がなせる業です。神さまのお守りの中で、大きくなったことを喜び、成長させてくださる神さまに謙虚に感謝しつつ、今年度の残りの日々を大切に過ごしましょう。その歩みが、きっと新しい年の希望へとつながるはずです。
いちょうさん、あなたたちは光の子です。一人ひとり自ら世の光となって、卒園してからも、周りを照らす光の子でいてください。お祈りしています。
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2月「育ちあう」
一年の中で最も寒い時期を迎えようとしています。子どもたちは元気ですね。寒さなどものともせずに、元気に活動しています。お天気の良い日には、園庭へと駆け出していきます。その姿に私たちは励まされています。深々とした冷え込みの中にも、冬支度をし始めてこれから向かおうという時期とは少し違った、次の季節へ向けた息吹を感じます。厳寒の中でも、神さまに守られているいのちがあることを思わされます。
この時期になると、それぞれの年次で、また異年次で、友だち同士のかかわりや、仲間と一緒にする遊びが充実してきます。遊びも、継続性が出てきて繰り返し取り組み、それによって幅や深みが増していきます。お互いの個性や違いを認めあいながら、育ちあう姿が見られます。
2月の主題聖句は、「愛は、すべてを完成させるきずなです」(新約聖書:コロサイの信徒への手紙3章14節)です。子どもたちは、相手のことも自分のことも、好きなこと、得意なこと、性格、特徴をよく知っていて、それによってともに居ることができ、ともに居られることが安心につながります。安心は信頼を育てます。きずなを感じられるということでしょうか。きずなも信頼も目には見えません。が、私たちの内なる部分に確かに存在し、永遠に存続すると信じています。愛してくれる人が居て、信頼できる人が居て、安心して前に進むことができます。子どもたちともおうちの方とも保育者とも、信頼しあえることの尊さを大切にして、育ちあえる関係を築きたいものです。
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1月「守られて」
1月の主題聖句は、「見よ、わたしはあなたと共にいる。」(旧約聖書/創世記28章15節)です。力強いお支えの言葉です。私たちには、苦難の中にあっても、支えがあるからこそ乗り越えられることがあります。自分の小ささ、弱さ、罪をすべてご存知の主が、それでも共にいてそのままで愛してくださるというのです。大きなお支えです。私の座右の銘に「だいじょうぶ」があります。支えがあって苦難を通り抜けられたとき、心が育ち、人を思いやることができ、「だいじょうぶ」という希望が見えてくると言います。子どもたちが、周囲のまなざしに安心し、神さまの愛を感じて、心と体が守られて過ごせますようにと願います。
この冬の時期、お正月ならではの伝統遊びを通しても、いろいろ試してみては失敗を繰り返すうちに、成功が確立されていきます。そこから、自信が培われ、人と関わる機会を持ち、遊びの深まりが変化していくことも楽しんでいきたいと思います。粘って繰り返すこと-じっくり時間をかけて取り組むことーで答えが見つかったり、コツがつかめたりして、さらに喜びが増していきます。
ご家庭で迎えるクリスマスやお正月。冬休みになります。しばし園生活を離れた子どもたちが、おうちの方々と豊かで穏やかなときを過ごし、優しい気持ちで、安心の中で、新しい年を迎えることができますようお祈りいたします。幼稚園は今、課題も多く困難な時代かもしれません。その中にあって、神さまの御心が何であるかー、この自分にどんな使命をお与えなのかー懸命に模索しながら、今も生きて私たちを守り導いてくださるイエスさま、御子をお与えくださった愛の神さまの、そのお守りの中で新しい年を迎えられたらと思います。すてきなクリスマス、よいお年をお迎えください。
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12月「賛美」
いよいよ待ちに待った季節がやってきます。すべての人に喜びや幸せを感じてほしいこの季節、子どもたちもまた本当のクリスマスの意味を知り、喜び、そしてみんなでともに祝います。神さまは、私たちのために愛をもって大切な独り子イエス・キリストをお与えくださいました。その誕生がクリスマスです。嬉しい気持ち、いろいろな形で表すことができます。私が祈るとき、まず初めに主の御名を賛美します。祈りのある喜びとともに、なされる御業の偉大さをほめたたえます。讃美歌21の巻頭には、「主を賛美するために民は創造された。」(旧約聖書/詩編102編19節)とあります。歌集の最初に、こんな御言葉が記されていること、何ともすてきではありませんか。
さて、聖書というと難しい感がありますが、一貫して人は孤独ではないことが記されていると思うのです。その最も素晴らしくて大きな証が、クリスマスが誰もが一人ぼっちではないということを知るときとしてくださったことではないでしょうか。そのことを子どもたちは素直に感じ、お友だちや家族、まわりのいろいろな人のことを思い、社会や世界の出来事にも目を向け、そこから自分にできることを考えます。大切な役割を見出して表現しようとしている姿に寄り添いながら、尊重してゆったりとした心持ちで、ご一緒に見守っていきましょう。
クリスマスは毎年やって来ますが同じではありません。子どもたちの成長があります。一回一回のその年のクリスマスを、子どもたちとともに大切に迎えたいと思います。アドベントクランツのろうそくに、週毎1本ずつ火が灯り、静かに待つ本当のクリスマス。おうちの方々とも、心合わせてクリスマス礼拝が守れますよう願っています。
11月第2週、持ち寄られた秋の豊かな恵みとともに、感謝祭礼拝を守りました。鈴蘭が大切にしている“感謝する気持ち”がこもったおにぎり献金。おささげいただいた“私たちにできることをー”の思いは、51,203円になりました。子どもたちとおうちの方々の祈りに合わせて用いたいと思います。後日ご報告いたします。ありがとうございました。
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11月「一緒に」
今月の主題聖句は、「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいる。」(新約聖書:マタイによる福音書18章20節)です。ここでは、二人という、少ないけれど複数であり、一人ではないことが多くの箇所で説かれています。二人以上複数でいることが大切なのだ、一人だけでは人は育たないと解説されています。人は、ひとりではありません。孤独を感じている人でも、少なからず何らかの他(人間に限らず)とのかかわりを持っています。そして、それで人は生きていくことができます。主はいつも私たちの中心にいてくださる方なのです。
子どもたちの気づきや驚き、不思議に思う気持ちが、友だちと一緒だと深まり広がっていきます。遊びの中で、考え試し、主張しながら譲ることも覚え、認め合います。試行錯誤や葛藤を経ながら、納得して遊びに戻る姿も見られます。友だちが一緒です。ともに成長していきます。一人だけでは育たないのです。
先程の聖句の前の19節には、「あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして」とあります。ともにあって、祈りを合わせることの尊さ、心を合わせることの喜び、そして、一緒に過ごすことの楽しさが、小さな一つひとつでも神さまのもとつながりを持ち、神さまの御業が始まり、大きな愛がすべての子どもに向けられます。みんなで礼拝する中で、誰もが神さまに愛される、かけがえのない友だちだと気づきます。心を合わせて祈ります。
豊かな秋の実りを神さまに感謝し、秋の自然物を介して、そこにさまざまな人の働きがあることにより心が向けられ、たくさんの恵みがあることを実感し、深まりゆく秋、信州の短い秋を一日一日丁寧に過ごしたいものです。
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10月「動く」
涼しくなりますます動きやすくなってきました。園では、気持ちのよいこの季節を感じながら、今日もまた様々な営みが行われています。特に園庭やホールでは、子どもたちの体を動かす挑戦は、それぞれのペースで熱心さが増してきました。その日その日の運動会が繰り広げられています。考え工夫をして、そして精一杯努力しています。竹馬、跳び箱、鉄棒など、運動遊びへの挑戦や、野球、サッカー、鬼ごっこなどの自由遊びの中での体の躍動。私たちおとなには計り知れないくらい新鮮な“驚き”や“感動”が、日々子どもたちにはあるようです。動くのは、体だけではありませんね。様々なことに刺激を受けて、体が生き生きと躍動している内面で、心も動き成長しています。その反応が大きくても小さくても、その子らしく自ら心を動かすことができるように、見つめている先のものを感じとって共鳴しながら信頼し、動きだす“とき”を待ちたいものです。
キリスト教保育の中で、目に見えないものに目を注ぐことも大切にしてきました。何かを成し遂げたとき、その達成感は次にやることへの大きな原動力となるのです。出来たこと(結果)もともに喜びたたえ、またプロセス(過程)の中で培われた成長も見逃さずに、大いにほめてあげたいものです。なかなか難しいかもしれませんが、「比べず、急かさず、焦らず」を実践していきましょう。ほめる種を蒔きましょう。
今、世界情勢に目を向けたとき、心からキリストの平和が全世界にゆきわたりますようにと祈ります。また、自然災害の多発に胸が痛みますが、これも神さまからの何がしかの問いかけなのでしょうか。自然界や日常のあらゆる場面や、人と人との間に起こる様々な出来事を通して語られる神さまの声に、真摯に耳を傾けていきたいものです。
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9月「試行錯誤」
今年は、梅雨明けのあと雨が多く、気象の異常を感じざるを得ないような夏休みでしたが、どのように過ごされたでしょうか。
8月は、特に平和について考えるときでもあります。各地での戦闘、広島の日、長崎の日、終戦記念日。終戦から72年目のこの夏も多くの祈りがささげられました。戦争を知らない世代にとって、報道(語り継がれること)によって初めて知った、当時の出来事もありました。これからも私たちは、平和を切に願い、心より祈りを合わせ、出来る事を模索し、小さくても静かでも行動に移すことを実践していきたいと思います。
そのような思いを熱くしたお休みでしたが、この夏休み中、家庭で、また外で、日常の保育の中では経験できないような体験を通し培われた、子どもたち一人ひとりの心の中の自信や躍動感は、一生の宝物となり、これからの園生活や遊びに向かうエネルギーとなることでしょう。
さあ、2学期が始まりました。1学期をともにした子どもたちと暫し離れて過ごし、また幼稚園に元気な声が戻ってきて、あらためて生活の基本のパワーを子どもたちからもらっていることを感じています。9月は、季節の移り変わりを感じながら、遊びの中で体と心を十分に動かせるいい季節です。便利で保障された現代の家庭生活では、季節の移り変わりを気づきにくくなっています。自然に抱かれたこの園で季節を感じましょう。また、子どもたちの遊びの中で繰り広げられる工夫や挑戦。ゆったりと時間の流れるこの園でこその、子どもたちの試行錯誤を穏やかな心持で見守りましょう。
子どもたちは園生活で、神さまに守られながら、人として豊かに生きていくための大切な力を育てています。2学期も、そんな子どもたちとともに、私たち大人ものびやかに過ごしたいものです。とにかく笑顔です。
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8月「ゆったりと」
鈴蘭幼稚園のお昼の過ごし方には、お弁当の日、おにぎりの日、選択式部分給食の日と3通りありますよね。それぞれに特徴がありますが、この幼稚園の長い歴史の中でも、特に大切にされてきた、おうちの方が作ってくださるお弁当について、少し書きたいと思います。
いろいろなお弁当があると思います。得意な方も苦手な方もおられるかもしれません。でも、例えば、フライパンで加熱する、鍋で茹でる、箸を動かすその一手間一手間が、子どもの成長を助長する愛の証に思えます。作る側と食べる側の、バトンの受け渡し。家庭で作る料理でも、工夫したり栄養バランスを考えたり、愛情が注がれています。お弁当は、その愛情ー、溢れ出てしまいそうなくらいの愛情を、小さな箱にぎゅっと詰めて、そしてさらに、親から離れて自分の世界に踏み出す子どもたちを送り出してくれます。日々の愛の糧によって、背丈も伸び体重も増え、確実に体は成長していく。と同時に、完食してピカピカになったお弁当箱や、苦手な食材でも懸命に口に運ぶ姿に、お弁当って、子どもの成長を教えてくれる素晴らしいツールなのだと感じます。
お弁当で思い出したことがあります。私は小さい頃虚弱体質で、かなりの偏食だったのですが、母は私を甘やかすことはせず、お弁当に嫌いなものも入れていました。幼稚園の保育室の片隅で、ひとりいつも最後まで苦手なものと格闘していたそんな私を、先生は優しく励まし、決して急かさず、ゆったりとした時間の中で、食べ切ることの満足感と達成感を教えてくれました。鈴蘭もそう。日々の小さく見えるひとコマに心を注ぎ寄り添っています。
夏休みになります。いろいろな計画もあると思いますが、ゆったりと過ごす時間も設けましょう。ルーティンに追われがちな日常から少し解放されて、平和を願い、近くにある平安に感謝ながらー。
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7月「気持ちよく」
縦に細長い日本列島、北と南とそれなりに違いはあっても、春夏秋冬四季を感じられることは幸せなことではないでしょうか。
過日の松本教会こどもの礼拝で、旧約聖書の御言葉を聴きました。神さまがお造りになった全世界を洪水で滅ぼされたときの話。その中で、神さまに従っていたノアという人とその家族、そして選ばれた動物たちは、大きな箱舟に入ることを許されました。何十日もの洪水があり、地の生き物は水とともにことごとくぬぐい去られましたが、水が引くと、箱舟の中で過ごしていたノアに、神さまは約束されました。今後、二度とこのように生き物を滅ぼすことはしないとー。そして、生き物の繁栄を約束されました。その契約のしるしは、「虹」です。雨が降ると現れる虹は、二度と洪水で世が滅ぼされることはないこと、地球がある限り季節は訪れること、そして、神さまがこの約束を守られるというしるしであることを意味します。
世界中には、夏ばかりの国も冬ばかりの国もありますが、それなりに季節があります。日本には四季があります。この7月、夏本番を迎えます。暑さからの連想で、打ち水やすだれ、夕涼みといった避暑を思い浮かべたり、ぎらぎらの太陽や入道雲、蝉時雨など、ならではの風物詩が思い浮かんだりー。そして、なんと言っても、子どもたちの汗に想いを馳せます。おとなになると汗をかくことを疎いがちになりますね。園で遊び込む子どもたちをみていると、汗びっしょりになって髪の毛もシャツもぐっしょりなのに、どうしてそんなに嬉しそうないい顔をしているのだろうと感心します。私たちおとなも、気持ちよくいい汗をかきたいものです。
いつも大切なものを教えてくれるのは、愛する子どもたちです。これからも、子どもたちの汗がきらきら輝く幼稚園であり続けたい。初夏の陽ざしと子どもたちの弾ける笑顔の中で、心を新たにしました。
今年も迎える暑い夏を、体も、そして心も健やかに過ごしましょう。
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6月「不思議」
木々や草花の色が濃くなってきました。園庭の大榎にもプラタナスにも藤棚にも、見る見るたっぷりと葉が茂りました。野ばらも白く可憐な花をたくさんつけ、花の香に蜂たちも集まっています。四季のある日本で、こうしたすばらしい自然に、季節の移り変わりに触れるとき、『いのち』を与え生かしてくださる創り主神さまに、心からの賛美と感謝とを捧げたくなります。これからも、自然というものの限りのなさと不思議さに目を向けていきたいと思います。
6月の主題聖句は、「これは主の御業 わたしたちの目には驚くべきこと」(旧約聖書:詩編118編23節)です。神さまは、私たちを、人をお救いになる方です。その御業(みわざ)は不思議です。奇跡という言葉をよく耳にしますが、神さまのなさることこそが、聖書が語るところの奇跡です。不思議や驚きの背後に、神さまの御手があると説かれています。
子どもが遊びながら、驚きや不思議を見つけます。自分の居場所が見つかり安心して過ごせる環境ができ、その中で、入園・進級したばかりの頃より一歩先に進めるようになっていきます。子どもの成長こそが、主の御業、驚き、奇跡です。「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」との聖書の御言葉は、この幼稚園の基本理念です。子どもに愛を注ぎ、成長させてくださるのです。
神さまが造られたもの、人間だけでなくすべての被造物に、神さまの愛が注がれます。そんな神さまの愛の中で、私たちおとなも、子どもが見つけた「自然」に共感し、向かい合うだけでなく同じ方向を見ることもしながら、声に耳を傾け、思いに寄り添う存在になりたいものです。子どもたちのような美しさを感じるみずみずしい感性を持ち続けることを諦めずに願いつつー。
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5月「見つける」
この鈴蘭幼稚園を通じて、初めて神さまやイエスさまの存在を知った子どもたちやおうちの方たちもいらっしゃいますね。5月の聖句(聖書の御言葉)は、「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます」で、2011年度のキ保連の年主題にもなりました。目に見えるものを聖書は「外なる人」と記しています。例えば、体の成長は目に見えます。一方、見えないものも私たちにはたくさんあり「内なる人」としています。子どもたちは、外なる人の成長とともに、イエスさまに出会うことで内なる人も成長します。見えないものを身近に感じ、遊びの中で、気づき、見つけ、心が成長していきます。
人は往々にして前向きの左右ばかり気にしますが、バックすることが必要なときもあると思います。それは決して後ろ向きでネガティブな思考と捉えられるべきではなく、むしろ勇気の証でさえある場合があります。ふと後ろを気にしたときに見つけられるものがある場合があります。柔軟性を持つこと、五感を研ぎ澄ますこと、視野を広くすること、そしてこの世の見えるものに惑わされないことです。子どもは、感性の視野が360度、「見つける」名人です。大人の見えないことも見えるようです。
もうすぐ迎える連休で、4月の緊張をほっと解いて気分転換、また新たな力を養い迎える5月。さらにいろいろなものが躍動します。「動」の活動とともに、「静」ともいえる礼拝も始まります。さんびかを歌い、聖書に聞き、祈り合うじっくりとしたときもまた、ともに過ごしたいと思います。ゆったりと流れる時間の中で、一人ひとりかけがえのない存在として愛されて育つ。神さまの愛がいつも薫る園でありたい。気持ちのよい薫風の季節、祈りを新たにしています。
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4月「出会う」
暖かくなり始め、陽ざしの中に春の息吹が感じられるようになった途端に、足踏みをしているかのように雪が降り、寒い日が続きました。それでも、夜明けが早くなり、日暮れが遅くなり、確実に春が歩を進めています。そして、新しい年度が動き出しました。
春とともに、たんぽぽさんからすみれさんへ、すみれさんからいちょうさんへ、ひとつずつ歩みを進めるすずらんの子どもたち。慣れた土地やお友だちとの別れを受けとめ、ここすずらんで新しい生活を始める子どもたち。そして、初めてお母さんお父さんの手を離し、勇気を持って未知の世界へと踏み出す新入園の子どもたち。そんな子どもたちに、未来への希望を見出します。子どもたちの輝きが未来を照らしてくれます。
今年度のキリスト教保育の年主題は、“愛されて育つ”、年主題聖句は、「あなたがたは神に愛されている子供です」(新約聖書:エフェソの信徒への手紙5章1節)。子どもに限らず、すべての人が神の子として愛されるべき存在であり、愛のもとに育まれていくのです。そして、月のねがいとして掲げられる月主題、4月は“出会う”です。この幼稚園が礎としているキリスト教の精神に基づく保育の中で、礼拝と祈りによって、神さまとイエスさまに出会い、たくさんの人に出会い、さまざまな事象に出会っていきます。家庭にあっては家族に、園にあっては保育者に、受け入れられ喜ばれている感覚の中で、自分の居心地のよい居場所を見つけて、安心して過ごせるようにしていきたいと思います。
新旧が入れ替わるこの時期、神さまによって新しくされる私たちは、今までと違う環境に出会い、昂揚感や意気込みとともに、緊張感や不安感も併せ持っています。「あなたがたに平和があるように」(月聖句)と語りかけてくださる神さまが私たちにお与えくださる個々の感性、一人ひとりがかけがえのない存在として、ゆったりのびやかに大らかに暮らしていくことこそ、平和への道だと信じます。比べず、急かさず、焦らずです。そして、できるだけ笑顔で過ごしましょう。神さまがお与えくださる月の保育主題に、耳を傾け想いを寄せ、感じたことを発信してまいります。今年度もよろしくお願いいたします。
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