3月「喜びにみちて」
記録的な大雪が降りましたが、陽ざしの中には春の訪れを感じます。年度の最後となる3月を目前にして、この一年間を振り返る機会を度々与えられています。今年も、あっという間にこの時期になったという感があります。心湧く嬉しい始園式、入園式から始まり、こんなことがあった、あんなことがあった、ああそうだった、そうそう・・・そんな思いが頭の中を駆け巡ります。
あっという間のようでも、実は本当にたくさんの幼稚園での営みがありました。その時その時は、それぞれ無我夢中だったり、猪突猛進していたり、意気軒昂であったり、また時には、苦悩があったり、艱難があったり、反省があったりしながら越えてきたこともあります。大小の行事もそうですが、穏やかに繰り返される子どもたちの基礎となる日常。そのどんな場面も、今思い起こせば“喜びにみちて”いたことを感じています。それは、ほかならぬ愛してやまないかけがえのない宝である子どもたちとともに過ごせた喜び、寄り添わせてもらえたという喜び。子どもたちの心も豊かに動いてきたと同時に、その子どもたちのおかげで、私たちも大きく心が動き、胸の中にふつふつと幸せな気持ちが湧いてくるのを、みちてくるのを、感謝とともに受けとめています。
一方で、この3月は3年前の大震災を忘れない思いをあらたにする月でもあります。大勢の方々が亡くなり、今なお行方の知れない方々、避難を余儀なくされている方々がおられます。こうして豊かに幼稚園生活を送れること、進級、卒園という次のスタートが約束されていることを、心からありがたく思います。
3月の聖句を紹介します。「希望はわたしたちを欺くことがありません。」(ローマの信徒への手紙5章5節)そうです。私たちには、希望があります。神さまのお守りの中で、大きくなったことを喜び、成長させてくださる神さまに謙虚に感謝しつつ、今年度の残りの日々を大切に過ごしましょう。その歩みが、きっと新しい年への希望へとつながるはずです。
2月「育ちあう仲間」
鈴蘭幼稚園では、母の会で毎年、文集“育”を刊行していますね。いろいろな思いがありながら継続していくということは、とても貴重な伝統と思われます。“育む(はぐくむ)”という響き、とてもいいものです。親鳥がひなを羽で包んで育てる。誰に教わるわけでもなく、自然に営まれる愛。そして、その同じ字でつづる“育つ(そだつ)”という言葉。保育の中ではよく登場します。子どもたちがその子らしくのびやかに成長していくうえで、切り離すことのできない大切な言葉です。
一年の中でも最も充実した時期を迎えようとしています。たくさんの遊びの中での今までの経験から、自分の大切さだけでなく、相手を大切にする気持ち、それを信じて子どもたちは育ちあっています。この、私たちの宝、粗削りだけれどその分可能性が無限大の、未来に向かって輝いていく原石たち。幼くても粗削りでも、お互いを認めあって育ちあって生き生きと日々を送っています。その中には、一見後ろ向きに感じられる負の心の動きもあるでしょう。小さい心に葛藤もあるでしょう。それらを避けるものと捉えずに、そこから学びあい、育ちあう姿を大切にしたいと思います。私たちはみな、神さまから愛されています。自分が愛されて存在を喜ばれていることを心に留めることができれば、それぞれの考え方や個性の違いの中でも、すてきに育ちあえます。
時間、空間、仲間、これらを「保育の三つの間」と呼ぶようです。どれも子どもたちが豊かに育まれるために保証されるべきものです。これから、ますますこの三つの間が豊かに保証された園生活を、かけがえのない子どもたちが過ごせるように、年度末、心を尽くして春を迎える準備を進めていきたいと思います。
寒さに体がすくみがちなこの季節も勇敢に歩みましょう。
1月「育ちあう仲間」
“あう(合う)”という言葉、いい言葉ですね。相手があり、一方通行ではなく、相手への思いやりが感じられる言葉だと思いませんか。9月10月は“伝えあう”、12月は“わかちあい”、そして1月2月は“育ちあう”です。今年度のキリスト教保育の月主題は、この交互通行であり、他者を尊重する思いに着眼しているように感じます。それだけ、今、こういう感性が重要視されている、求められているということでしょうか。
“仲”という字には、人と人との間に立ってとりつぐことという意味があります。また、“間”という字にも、人と人との仲という意味があり、熟語の意味にとてもマッチした類義語ですね。幼稚園には、家庭では作ることのできない仲間がいます。仲間を作るたっぷりの時間があるのは、幼稚園ならではです。たくさんの仲間、特定の仲間、あっさりした仲間、深い仲間・・・子どもたちの仲間意識にもいろいろな思いがあり、その子なりの友だち関係が広がり、遊び込む中で豊かな人間関係を築いていきます。子どもたちが自ら遊びの中で気づき、大切にしている“育ちあう仲間”です。
この冬、お正月ならではの遊びを通して、友だちと群れて遊ぶ経験をしてほしいと思います。相手の思いや考えを受けとめあいながら、お互いの違いを認めつつ、助けあったり関わりあったりする中で、仲間がいるからこその楽しさ、育ちをあらためて感じてほしいと思います。
ご家庭で迎えるクリスマスやお正月のある冬休み。子どもたちがしばし園生活を離れて、おうちの方々と豊かで穏やかなときを過ごし、優しい気持ちで、安心の中で、新しい年を迎えることができますようお祈りいたします。新年、冬休みの家庭での様子を嬉しく聴きながら、また仲間との再会を喜ぶ姿を楽しみにしています。
すてきなクリスマス、よいお年をお迎えください。
12月「わかちあい」
私たちの幼稚園でも、10月に運動会を行いました。鈴蘭幼稚園の運動会、ゆったりじっくり、一人ひとりの育ちと挑戦を、しっかり温かく見守っていただけたのではないでしょうか。
幼稚園からの「運動会の話」のときに、私から必ずお伝えしたいこととして、“競い合うより分かち合いたい”という思いがあります。これは、子どもたちと一緒に運動会の時期を迎えるそのたび毎に、どんどん強くなる私の確たる思いです。汗や努力や喜びを分かち合える仲間が輝く運動会、子どもたちが私に分かち合うことのすばらしさを教えてくれる、すてきなときです。
そしてまた、うれしい季節がやってきました。私たちのもとへ、まことの光としてイエスさまが来てくださった本当のクリスマスを祝うときがやってくるのです。
この季節、子どもたちは本当のクリスマスの意味を知り、喜びを分かち合います。お友だちや家族、いろいろな人のことを思い、自分ができることを考えます。その中から、大切な役割を見出して伝えようとしています。その姿を、このときもまた、ゆったりと見守っていただきたいと思います。子どもたちにとって、親と一緒に過ごす愛された時間、親にとっては、子どもと過ごすかけがえのない時間が、心の中に刻まれる「温かくしあわせな記憶」です。幼稚園で培われる「生きる力」に加えて、この記憶は「しあわせになる力」となり、生涯を通じて助け手となってくれるはずです。
11月の3週目には、持ち寄られた秋の豊かな恵みとともに感謝祭礼拝を守りました。私たちに“なにができるかな”という思いから始められたおにぎり献金。おささげいただいた“私たちにできることをー”の思いは、65,598円になりました。子どもたちの内に根づている思いやりと、おうちの方々の祈りに合わせて、活きる形で用いたいと思います。後日ご報告いたします。ありがとうございました。
11月「恵みへの感謝」
唐突ですが、今月の神さまからのみ言葉、聖句は「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい(フィリピの信徒への手紙4章6節)」です。私たち、弱い者ですから、日々時々、悩み考え苦しみ思い煩う者ですね。そうせざるを得ない私たちに、それを「やめなさい」と言ってくださるのは、神さまが私たちを必ず守ってくださると、太古から確約してくださっている大きな愛の証です。神さまのご契約、心強いことです。
その神さまが日本の私たちにくださった四季、それぞれに感慨深いものがありますね。秋もまた、そこここに素晴らしい風景や実りがあり、恵みに感謝したいと思います。大人の私たちが経験によって思い込んでしまいがちなことを、子どもたちは、素直に感性によってのみ真っ直ぐに受けとめています。
園舎裏の畑で、さつまいものおいも堀りをしました。春に子どもたち自身が苗を植え、茂る草をとり、日ごとに大きくなる葉を見つめながら待った収穫のとき。今年は残念ながら不作でしたが、土の中から出てきたおいも、それが大きくても小さくても、手にした子どもたち、本当に嬉しそうでした。これが、この子どもたちの笑顔が、本当の恵みへの感謝なのでしょう。
恵みへの感謝とともに、いろいろな人の働きを心にとめたいと思います。私たちは、ひとりではありません。多くの人とのかかわりがあり、多くの人の支えによって生きています。そのことも、子どもたちと一緒に感じ合っていけたらと思います。
収穫のとき、豊かな恵みとともに、私たちをも育んでくださる神さまの愛に感謝しつつ、安心して委ねながら、深まりゆく秋を感じて一日一日を丁寧に過ごしたいものです。
10月「伝えあう喜び」
秋空のもと、子どもたちの体を動かす挑戦は、それぞれのペースで熱心さが増してきました。その日その日の運動会が繰り広げられています。考え工夫をして、そして精一杯努力しています。子どもたちは、さまざまなことに刺激を受けて動きだし、体が生き生きと躍動している内面で、心も輝き成長しています。目には見えない心の成長も大切です。また、何かを成し遂げたとき、その達成感は次にやることへの大きな原動力となるのです。できたこと(結果)もともに喜びたたえ、またプロセス(過程)の中で育まれた成長も見逃さずに、大いにほめてあげたいものです。
さて、今月の保育主題は、先月に引き続いて“伝えあう喜び”です。この言葉の意味をさらに深めて、“伝えあえる喜び”と読み替えてもいいかもしれません。意思の疎通(伝えあう)から、さらにそれを可能(be able to)にする(伝えあえる)信頼感と価値観の共有がなされたとき、それは大きな喜びにつながるでしょう。逆に、伝えあえなかったとき、焦燥感や寂しさ、無念さを感じます。自分の思いを相手に分かるように言葉で伝えてみたり、相手の思いをゆっくり聴いてみたりするときを、今まで以上に大切に過ごしつつ、子どもたちを支え、見守っていきたいと思います。
子どもたちの成長がはっきりと見えてくるとき――まさに「実りの秋」がやってきます。子どもたちは、園の中にある小さな季節の移り変わりを感じ、発見し、互いに伝えあうことでしょう。秋の実りに触れ、自然界の不思議な変化に気づくことを大切にしながら、神さまの豊かな恵みを子どもたちに知らせたいと思います。次に来る収穫の喜びへとつながっていくようにー。
9月「伝えあう喜び」
自分の気持ちや思いを相手に伝えること、私たちが日常的に行っていることですが、あらためて見直してみると案外難しいことに気づかされます。本当に言いたいことが上手く言えなかったり、誤解して受け取られたり、一方的になってしまったり・・・。ましてや、幼児期の子どもたちは、まだまだ語彙も少なく、筋道を立てて話すことなどできません。その結果、もどかしさのあまり手が出てしまったり、きつい言葉で制圧しようとしたりする場面も見うけられます。それでも、小さな頭をひねって、小さな心をいっぱいに使って、懸命に相手に語りかけます。その姿には、健気さと愛おしさがにじみ出ていて、胸が熱くなります。
9月はまた、季節の移り変わりを感じながら、遊びの中で体と心を十分に動かせるいい季節です。子どもたちが、遊びを通して人間関係を広げたり、社会的な役割意識を深めたりすること、知識の取得や能力の向上だけではない成長に目を向けたいと思います。人間関係が複雑化し、価値観が多様化し、豊かに過ごすことが難しくなっている時代、豊かさをはき違えてしまいそうになりがちな時代だからこそ、原点を見失わず、心の目で子どもたちに寄り添っていきましょう。
伝えあう喜びは、伝えようとしている相手の思いを受けとめ理解しあおうとする喜びにつながるのではないでしょうか。「伝える」ではなくて、「伝えあう」のですからー。
今月の聖句は、「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」です。子どもたちは園生活で、神さまに守られながら、人として豊かに生きていくための大切な力を育てています。二学期も、そんな個性と創造性と可能性に満ちた子どもたちとともに、私たち大人も、のびやかに本当の豊かさを求めて過ごしたいものです。
8月「夏を感じて」
いちょうさんのサマーキャンプは、二日間とも雨模様でしたが、神さまのお守りがあり要所要所で大切な経験ができました。
朝の礼拝での神さまからのメッセージは、はじめてのことを不安を乗り越えて経験していくカブトムシのお話。いちょうさんも、このキャンプでは、準備の時からはじめてのことがたくさんありました。自分の係を決めて、お友だちのために何ができるかを考えて準備をして、たくさんがんばって、その姿を認め合って感謝し合って、みんなですてきなキャンプを創りあげました。たくさんのはじめてのことを乗り越えて、たくましく成長しました。
もうすぐ夏休みです。私たちが置かれた環境によって、それぞれの夏を感じる生活があります。いつもの「家庭」と「園」以外の出会いが、地域社会や世界のできごとに心をかたむける機会となりますようにー。そして、ゆったりとした時間を過ごすことを大切に、一人ひとりの子どもたちが神さまのあふれる愛の中で、心も体も健やかに過ごせるようにと祈ります。
神さまのお創りになった自然、スケールの大きな夏の自然を体感する時、神さまからいただいた恵みに感謝するとともに、今現在も安心して自然にふれあうことができない子どもたちがいることにも思いを馳せたいと思います。被災地や紛争の地に身を置く子ども、貧困や差別の中で今日一日を必死に生き抜いている子、身近なところにも悩みを抱え、病と闘う子どもがいることを覚えたいと思います。私たちの、楽しく喜びのうちにある今が、当たり前のものではなく、いつも感謝する心と祈る心とを忘れずにいたいと願います。
また二学期に、夏を体いっぱい心いっぱい感じて、充実したときを過ごした子どもたちの笑顔とともに、元気にお会いましょう。
7月「夏を感じて」
縦に細長い日本列島、北と南とそれなりに違いはあっても、春夏秋冬四季を感じられることは幸せなことではないでしょうか。「夏」ときいて、どんなことを連想されますか。暑さからの連想で、木陰や打ち水、すだれ、夕涼みといった避暑を思い浮かべたり、やはり夏そのもの、ぎらぎらの太陽や入道雲、蝉時雨、花火など、その季節だからこその風物詩が思い浮かんだりー。
私はなんと言っても、子どもたちの汗を連想します。大人になると、汗をかくことを疎いがちになりますね。園で遊び込む子どもたちをみていると、汗びっしょりになって髪の毛もシャツもべったりくっついているのに、どうしてそんなに嬉しそうないい顔をしているのだろうと感心します。
過日のある暑い日、教師がホースでまく水に誘われて、着替え覚悟、後のことは考えず、きゃあきゃあ言いながら水のトンネルをくぐり、思い切り子どもたちと園庭を走りました。「汗をかく」ことがこんなに気持ちいいとは・・・久しぶりの爽快感でした。いつも大切なものを教えてくれるのは、愛する子どもたちです。これからも、子どもたちの汗がきらきら輝く幼稚園であり続けたい、初夏の陽ざしと子どもたちの弾ける笑顔の中で、あらためて心に刻みました。
エピソードをひとつ。先日いちょうさんと一緒に遠足に出かけた先の公園で、この年次では初めて、「まきせんせいってー、おとこ?おんな?」との質問ラッシュに遭いました。答えは「ヒ・ミ・ツ!」としておきましたが、夏を感じて、髪型をショートカットにしようかとの思いを、ちょっとためらわせるような出来事でした。
今年も迎える暑い夏を、体も、そして心も健康に過ごしましょう。
6月「たのしい発見」
木々や草花の緑が濃くなってきました。春の花の頃の柔らかな輪郭から、日ごとにはっきりした力強い線へと移ってきています。これから雨の季節が来て、うっとうしさを感じがちですが、緑を鮮やかにして草木を育んでくれる恵みの雨にも感謝したいものですね。
大人にとっては、心がけていなければあっという間に過ぎてしまうひと月。遊びを生活とする子どもたちにとっては、日々毎々たくさんの出会い、発見、期待、葛藤、感動があります。
4月、5月と子どもたちの「うれしい出会い」に寄り添い、うれしい出会いを感じた子どもたちは「たのしい発見」を求めて動き出すことをお伝えしました。まさに今、生き生きと動き出している子どもたちです。はっきりと目に見えるものや新しく見つけたものの中にだけでなく、土や風や匂い、聞こえるもの、触れるもの、感じるものすべてが新鮮な子どもたちの毎日・・・“発見”に満ちています。
“発見(気づき)”が遊びにつながり、その遊びの中にまた新たな発見が生まれ、次の探求へ、そして創造へと展開していく。そのくり返しが、園の生活の中で根底に継続してあることを望みます。私たちのまなざしやかもし出す雰囲気が穏やかで、子どもの情景を心から楽しんでいれば、子どもたちはきっとすてきな発見を豊かに表現してくれることでしょう。焦らずに急かさずに、子どもが入っていく興味の世界をよく観て、共感し、関わっていくことを大切にしたいものです。
子どもたちが、かけがえのない心をたくさん動かして、安心して暮らせる幼稚園でありたいと思います。
5月「うれしい出会い」
暖かくなりましたね。一気に春本番です。と思っていたら・・花冷えとともに思いがけない雪。4月も後半になって、桜の花びらが散るのと一緒に積もるほど降るとは、驚きです。いよいよ活発に動き出した春の生命の息吹が、その春の雪の中でも力強さを感じさせ、またそこにも神さまが創造された自然界の不思議を垣間見ました。思いがけないうれしい出会いです。
子どもたちは少しずつ新しい環境やポジションに慣れ、さわやかな風の中で遊びに没頭できる子も増えてきました。新鮮な驚きや感動や出会いが、日々の遊びの中には詰まっているようです。こうした環境の中で、自分の安心できる居場所を見つけようと、心も体も張りつめて夢中で毎日を過ごしてきた子どもたち。私たちもともに、迎える連休でほっと一息ついて気分転換し、また新たな力を養いましょう。
園の生活の中で、自分のしたいことがたっぷりとできるようにしたいものです。したい遊びがたっぷりできた楽しさは、明日を楽しみにする気持ちにつながります。そのためには、ゆったり流れる時間がふんだんにあること。発想や心を豊かにする交わりがあること。興味が向く素材をそのまま、また工夫して活かせること。考えたり選んだりできるおおらかでしなやかな雰囲気があること。なにより、子どもの自主的自発的な思いが尊重され受け入れられて、安心して過ごすことができることでしょう。
5月の保育主題は、4月に引き続き“うれしい出会い”です。“うれしい出会い”を感じた子どもたちが、“たのしい発見”を求めて生き生きと動き出せるよう、季節の移り変わりとともにまた新たな環境を整えたいものです。そして、私たちおとなも親睦をはかり、出会いを大いに楽しみましょう。
4月「うれしい出会い」
新しい年度が動きだしました。厳しい寒さが続き、雪の多い冬でしたが、先月半ば頃から、日中の陽ざしには力強さと暖かさが増し、一気に春がやってきました。園庭の山桜もうれしそうに春の色を帯びています。
たんぽぽさんからすみれさんへ、すみれさんからいちょうさんへ、ひとつずつ歩みを進めるすずらんの子どもたち。慣れた土地やお友だちとの別れを受けとめ、ここすずらんで新しい生活を始める子どもたち。そして、初めてお母さんお父さんの手を離し、勇気をもって未知の世界へとふみ出す新入園の子どもたち。そんな子どもたちに、未来への希望を見出します。子どもたちの輝きが未来を照らしてくれます。
今年度のキリスト教保育の年主題は、昨年に引き続き――あふれる愛――。4月の保育主題は“うれしい出会い”です。この4月は特に、新しい友だちや保育者という存在、そして今までと違う環境に出会うときです。一人ひとり、かけがえのない存在としてあふれる愛で満たされ、生を受けたことを喜ばれ、自分の居場所を見出していくことができるよう、出会う環境が心地よいものであるよう、たくさんのうれしい出会いを笑顔で迎えられるよう寄り添いたいと思います。そして私たちおとなも、受け入れ合い、お互い愛をもって支え合いながら、新たな出会いを楽しめるような日々を送りたいと願っています。親の笑顔に、子どもたちは間違いなく安心します。子どもたちが、「光の子」としてのびやかに過ごせるよう心から祈りつつ、ご一緒に歩みましょう。
昨年と同じように、神さまがお与えくださる月の保育主題に、耳を傾け想いを寄せ、感じたことをこのおたよりでお伝えしていきたいと思います。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。