学校法人 鈴蘭幼稚園

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前月までの園長のことば

すずらんの花2020年度
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3月「希望をもって」

なかなか先の見えない一年でした。新型コロナウイルス感染症がこんなに広がってしまい、社会のあらゆる場面で変革をもたらすとは一年前には考えていなかったことでした。
マイナスに考えたらきりがありません。子ども達の心身の健康を、このコロナ禍で保つことを優先しなくてはならないと思い過ごしてきた日々です。この時の過ごし方には、それぞれの立場や考え方で違いがありましたが、どちらかが正しいかという事でなく、どちらの立場の方もいるという事実を受けとめる事を大切にしてきました。毎日の健康管理等、お家に方々にご協力いただき困難を乗り越えてくることができましたこと、心より感謝申し上げます。

寒さが厳しい時は、登園渋りをするお子さんも見られます。「ママがいい~」「おうちにかえりた~い」涙をたくさん流して訴えます。「お友達がみんな○○ちゃんの事、待っていたのよ」「今日は何して遊ぼうか?」気持ちを変えようとことばをかけますが、泣いている時は聞く耳持たず。しばらくすればコロッと気が変わり遊びだすことが多いのですが、泣いている時にはそうはいきません。『だって、お家がいいんだもん。ママ(パパ)がいいんだもん』鼻水ぐじゅぐじゅで泣き、教師の膝で過ごす事もしばしば・・・私事ですが、今年度病気をして入院。そして再入院。その時、何日もご飯も食べられず、動くこともできず、注射・点滴ばかりの毎日を過ごしていた時、思わず、「もー、家に帰りたい!」と声に出して言っていました。(きっと、もっともっと苦しい入院生活をされている方はたくさんいるのに情けない有様ですが。)その時に子どもたちの、「ママがいい~!」の思いがよくわかりました。言い換えると、「ママ(パパ)のことが、大好きなんだよー」「おうちが一番、居心地がいいんだよ~」と訴えているのだなあと。何か、前向きになれない要因はあるにせよ、ママ、パパが大好きと思ってくれる我が子がいる、帰りたいと思えるおうちがあるって幸せなことだという事を。愛されていることがわかっているからこそ口にできる、子どもたちの思いのこもったことばなのだと実感しました。

1月中は、ずっと妹にお弁当を作ってもらって園に持参。人に作ってもらうお弁当のなんと美味しい事でしょう!「何が入っているかなー♪」お弁当を開けるのが楽しみなんて。久しぶりの経験でした。自分のことを思って作られたお弁当が食べられる・・・・小さなお弁当の中に、いつもお子さんへの愛を詰め込んでくださっているおうちの方、ありがとうございます。子ども達が大きく成長した時、きっとそのありがたさ、幸せな日々だったと気が付くことでしょう。一年間、お疲れさまでした。

4月には小学1年生となり、新たな生活を始めるいちょうさん。一つ大きくなることを喜びとしているすみれさん、たんぽぽさん。様々な個性と出会いながら、自分が自分であっていいんだという自己肯定感と、違った感性を持つお友達がいるからこそ楽しいという多様性が園生活で育まれました。きっと来年度もコロナ禍の中で、困難のある生活がまだまだ続くでしょう。それでも、おうちの方の愛情をしっかり胸に抱き、仲間がいる事に喜びを覚え、また、どのような道であろうと神様の大きな支えがあることを信じ、つまずくことも弱さも許され、重荷をともに背負ってくださる方がこれからの道を一緒に歩んでくださることに力を得て、希望をもって新たな一歩を踏み出して欲しいと祈ります。

 

文責 園長 古川

 

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2月「つながる」

真冬のような寒さが続き、春の訪れを待ち遠しく思います。
寒い中でも子どもたちは冬ならではの遊びを楽しんでいます。
ある日、園庭でかけっこをしていた子が転んで泣いていました。その様子を近くで見ていた子がすぐに駆け寄り頭を撫で励ましています。「大丈夫?」「痛かったね」と声を掛けていて、転んで泣いていた子は温かい言葉に気持ちが落ち着いた様子でした。

また別の日には、風邪を引いてお休みをしている友だちを想い「早く元気になりますように」とお祈りをしている子がいました。
このような姿を見て、子どもたち同士の深いつながり、絆を感じました。
子どもたち同士のつながりだけではなく、幼稚園行事を通し地域の人々との、つながりも感じます。たくさんの人の支えがあるからこそ、今の生活がある。感謝の気持ちを忘れずに過ごしてもらいたいと思います。

私自身、子どもたちを通して月主題の「つながる」をたくさん感じました。そして今思うことは、距離は離れていても心のつながりがある、ということ。コロナウイルスによって会いたい人に会えず苦しい思いをしている方もいることと思います。会えずとも、心はつながっている。こんな時だからこそ、みんなでつながり支え合って過ごしていけたらと思います。

文責 大澤秀夫

 

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1月「じっくりと」

赤ちゃんに「じっと」見つめられると、なんだか緊張してしまいます。赤ちゃんは、どうしてあんなにまっすぐに、世界を見つめるのでしょう。
わたしたちの家庭に最初にやってきた赤ん坊が、自分の目の前にあげた右手の握りこぶしを、ずっと見つめていたことを思い出しました。もし、その時、彼がことばを話せたなら、「これはなんだろう?」と言っていたのかも知れません。手首をゆっくり回しながら、不思議そうに自分のこぶしをいつまでも見つめています。

2021年1月の主題は「じっくりと」です。「じっくり」というのは不思議なことばです。どうして「じっくり」と言うのでしょうか。これはわたしの勝手な思い付きですが、「じっくり」は「じっと」と、「ゆっくり」が一つになったことばではないでしょうか。
子どもたちが幼稚園の庭でしゃがみこんで「じっと」地面を見ています。蟻の列が向こうから、あちらへと「ずっと」続いています。いつまで見ていても飽きることがありません。そんな姿を見て、おとなは「そうだったな」と、自分自身の子ども時代を思い出して、なんだか幸せな気持ちになります。

「じっと」は集中する心のあり方です。まわりのことをすっかり忘れて。そのもの、そのことにまっすぐに心が向かっていきます。周りのあれこれ、過去のこと、将来のことに心乱されて、今、目の前にあるこの一つに集中できない大人たちは、「じっと」見つめる子どもたちのまなざしに、ハッとさせられるのです。

「じっと」見つめる子どもたちを、「ゆっくり」見守る大人たちがいることが大切です。その時、子どもたちは安心して、その時と場所を十分に味わい、感じ、楽しむことができます。そして、「じっと」待っている大人たちがいることを知っている子どもたちこそが、「じっくりと」考え、「じっくりと」自分の課題に取り組んでいく人間へと成長していくのです。
「ゆったり」とした時間と空間と仲間を用意すること、それが新しい年の始めの月のわたしたちの目標です。

文責 大澤秀夫

 

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12月「喜びにあふれて」

今年の感謝祭礼拝は、例年とは違った形で行われました。三密とならないように三か所でのお礼拝は、いつにもまして落ち着いた雰囲気でしたので、これもありかなとも思ったり。感謝の気持ちをカードにして果物とともに様々な場所にいちょうさんがお届けしてくれ、こちらは例年通り受け取っていただけました。持ち寄ったお野菜を使っての豚汁作り。今年は、担当教師と非常勤教師、園長が入って仕上げました。(豚汁つくりボランティアが募集できずに残念でした)恒例の豚汁パーティの企画をすみれさんがしてくれ、“畑のポルカ”の歌をアレンジして振り付きで教えてくれたり、(カバ、ワニまで登場するにぎやかな“畑のポルカ”でした!)クイズがあったり、ホールで楽しい時を過ごしました。

豚汁会は会場を2か所にし、分かれていただくことに。テーブルに各年次一人ずつなので、緊張してしまう人もいたようですが、私の入ったテーブルは穏やかにお話ししながら和気あいあいとした雰囲気。「あー、これ俺たちが買ってきた昆布が入っている。うんめえー」白菜等蒸したお野菜の昆布和えをパクパクと食べている年中児。(お買い物効果絶大!)「ひじきも食べられるようになったんだよ」昨年は野菜が食べられずに、特に給食では毎回苦労していたのです。「豚汁お代わりしたい。これだけ」指を三本立て申告して・・・有言実行。豚汁3杯、昆布和えは2杯お代わりして完食。たくましくなってきました。その様子を隣で見ていたたんぽぽさん。「私もこれがいい」指を三本立てました。「やきいもが欲しいの。私のところに入ってないもん」サツマイモを入れて欲しいらしくそう言うのですが、昆布和えに苦労して、『お代わりはおにぎりも和え物も全て食べてから』とはいかない様子。えずきながらも食べようとする様子を見ていて居たたまれなくなり、内緒で昆布和えを減らしました。「お代わり!」2杯目の豚汁に突入。(やきいも2個のみですが。)「お~いしい!もう一回」で、念願の3杯目の豚汁を食べ終えました。満足そうなにこにこ顔。お片付けもジップロックにお椀を入れる過程を何度もやり直しながらも、自分の力でしていきました。 ワイワイガヤガヤの例年の豚汁会ではありませんでしたが、神様の恵みである食物をみんなで味わい、「美味しいね」と時を分かち合い、日々の経験・年次の交わりを通して刺激し合い成長している姿も垣間見られ、大切にしたい事を十分感じることのできた感謝祭礼拝からの流れでした。

12月は、神様の御子イエス様をお迎えするクリスマスをみんなでお祝いします。一番小さな「赤ちゃん」という姿でこの世に生まれていらっしゃったイエス様。そして、馬や牛の餌置き場、飼い葉桶に寝かされました。
「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」ルカによる福音書2章6~7節
クリスマスは小さい者に光があてられ、小さい者に寄り添うことを覚える時でもあります。

食事ひとつとっても、一日3食、食べられる事が当たり前に思いがちですが、今、「子ども食堂」「おうち食堂」などの提供が日本でもなされており、子どもの貧困が問題になっております。ましてや世界の国々の貧困は、新型コロナウイルスの感染症の影響や景気後退で今後ますます拡大するといわれております。クリスマスを迎えるこの時、それぞれに与えられている恵みを感謝し喜びながら、その恵みを分かち合う事ができるよう、どの人も、「喜びにあふれて」毎日の生活が営まれますよう、自分たちにできることを子どもたちと一緒に考えて過ごしていきたいと思います。

文責 園長 古川

 

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11月「感じる」

雲の流れ、木の葉の色付き、日ごとにひんやりとしていく空気。生活の様々な場面で、季節の移り変わりを感じる時を迎えました。日だまりの暖かい場所で遊ぶ子どもたちの姿からも、深まっていく秋を肌で感じているように思います。

「うろこ雲だ!」全園児で蚕糸公園まで向かっている途中に聞こえた年長児の声。近くにいた子どもたちが、パッと空を見上げました。「わぁ、すごい」初めて知った様子で、ぽーっと口を開けながら空を見上げたままの子、「おいしそうだね!」と何かを想像した様子でにこにこ微笑んだ子、「すっかり秋の空だね~」とつぶやいた保育者。ひとりの子どもが気付いた自然の姿に、みんなが心を寄せ合った時でした。

風が吹いたある日、園庭にトチの実が落ちました。この瞬間を朝から楽しみに待っていた女の子は、急いで走りましたが、近くに居た男の子が嬉しそうにトチの実を手に取りました。「あっ…」と、立ち止まり、残念そうな女の子。その姿を見て、男の子は少し考えているようでした。“どうするのかな?”とふたりの様子を見ていると、男の子はそっとトチの実を女の子に渡しました。女の子の気持ちを考え、寄り添った男の子の気持ちを思うと、その優しさに胸が熱くなります。男の子は、その後の女の子の笑顔を見て何を感じたでしょうか。

しばらくすると、また風が吹き、今度は男の子も自分の分を持ち帰ることができました。どんな時でも見守っていてくださる神様から、嬉しいプレゼントをいただいたようでした。

11月は、みんなで感謝祭礼拝をまもります。今年度は、運動会のように例年通りに行えないこともありますが、神様からのお恵みを受け、豊かな自然の中で子どもたちは心も体も大きくなっていきます。身近な自然の変化や実りを感じ、喜び、「かみさまありがとう」とたくさんのことに感謝する気持ちを大切にしながら過ごしていきたいと思います。

文責 髙附

 

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10月「楽しむ」

いちょうさんはリレーが好きです。「リレーは一人だけの力じゃないんだよね」と、いちょうさんはいいます。自分の力を精一杯出し切って走り、次の友だちにバトンを渡すときの清々しい顔と、受け取った子が走り出すときの真剣な顔。一人ひとりの思いが受け渡される瞬間です。応援している子どもたちの思いも一緒になります。負けたら悔しいけれど、何度でもやりたくなります。逆上がりや倒立、竹馬などに挑戦しているいちょうさんの姿を見て、「やってみたい」と始めるすみれさん。教師に支えられながら、「ぼくもできた!」と喜んだり、「わたしもできるよ」と見せてくれたり。新しいことに挑戦することが楽しくなってきています。いちょうさんが綱引きや玉入れを始めると、「なにやってるの?」と集まってくるたんぽぽさん。いちょうさんがルールを説明してくれたり、審判をしてくれたりして、一緒に遊びが始まります。初めてのことにちょっぴりドキドキするたんぽぽさんも、やってみたら「おもしろかった‼」。ワクワクする初体験です。秋に季節が移り変わるときの楽しさは、他にもあります。たんぽぽさんが、園庭に落ちた榎の実を入れてマラカスを作りました。お帰りの会などでみんなで鳴らして楽しんだ数日後、何人かのたんぽぽさんが、そらの部屋で【おんがくやさん】を始めました。積み木で作ったステージに立ち、音楽に合わせてマラカスを鳴らしています。すると、それまではお友だちがしているのを見ているのが楽しかった一人の男の子が、仲間に入り一緒に鳴らすことを楽しみ始めたのです。また、ある朝、すみれさんの男の子3人がウッドデッキに座ってとちの実の笛を作り始めました。その日は金曜日。絵本借りのお知らせがなっているのに、動こうとしません。「先に絵本借りに行っておいでよ」と教師が声をかけても、まだ…。「名前書いておいてあげるから」のことばで、やっと動き出した3人です。

10月は、身体を動かし、心を弾ませたり、友だちと楽しさを共有したりする経験をたくさんしていきたいと思います。そして、どんな時も、神さまありがとうと祈る喜びを、子どもたちと共に感じたいと思います。「いかに楽しいことでしょう 主に感謝をささげることは(詩編92編2)

文責 木下

 

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9月主題「友だちとともに」

夏休みは、ゆったりと過ごすことができましたか。今年は、コロナウイルスの対策として、例年とは違う過ごし方をしている方がきっとたくさんいると思います。でも、こんな時だからこそおうちでできることを見つけて、遊ぶこともできたのではないかと思います。新しい生活様式を求められている時だからこそ、大変なこともあるかと思いますが、新たな生活様式を楽しみながら、今までの生活に戻れるように願いながら、これからも手洗い・うがい、マスク着用など予防をしっかり行い過ごしていきたいですね。

夏季預かり保育中も暑さに負けずに、外で思い切り水遊びをしたり、せみ捕りをしたり…汗をたくさんかきながら、楽しそうに遊んでいました。ある朝、「車の窓にせみがいたのに、捕まえることができなかった…」と落ち込んでくる子がいました。あまりにもショックだったようで「おはよう」と友だちが声をかけても、小さな声で返事をしたり、支度もなかなか進まなかったりしている様子。『朝、お掃除してたらせみが砂場のそばで鳴き始めたから、探してみようよ!』と声をかけてみると、表情がパァーッと明るくなり、支度を早く済ませ、「先生、早くいくよ!」と勢いよく外へ駆け出していきました。よく耳を澄ませ、どこにいるかよく目を凝らして探していると、友だちが来て「一緒に探してあげるよ」とみんなで力を合わせて探したり、追いかけたりしていましたが、なかなか捕まえられず…。でも、諦めずに探し続けていると、一匹の大きなせみを見つけて、友だちが捕まえることに成功!「やったー!大きいよ。よく観察しよう」と大喜び。嬉しい気持ちを分かち合っている様子から、『元気になって良かった!』と思いました。お帰りの時には、みんなに捕まえたせみを見せてくれて、せみのいる場所もみんなに伝えてくれ、「明日、せみ捕りしたいなぁ~」そんな声が周りの友だちから聞こえてきました。

遊びの中で、友だちと知っていることを共有し合ったり、力を合わせたり、嬉しい気持ちなどを分かち合ったり、毎日心をよく動かしながら過ごしている子どもたちです。二学期は、夏から秋、冬へと移り変わっていく季節。友だちとともに、先生たちとともに、季節ならではの遊びを体験したり、いろいろな事に挑戦したりする中で、心も体も強くなって大きくなっていけたらなと思います。

文責 胡桃

 

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8月「ゆったりと」

どんよりとした雨雲と、時折降る雨。こんなに雨模様のお天気が続くのは、松本でも稀な日々です。「今、お日様が出てきたので、水遊びしませんか?」いつ晴天になるかわからない天気予報なのを見越して、臨機応変に活動が準備されました。礼拝の後の一時間、水鉄砲にスプリンクラー、泥遊び等、子ども達が思い思いに遊び出し歓声を上げて走り回ります。お友達の仕方を見よう見まねで水鉄砲の扱いを覚えていくたんぽぽさん。水を目一杯貯めるには・・と試しています。しばらく遊んで体が冷たくなると、日当たりの良いホール前の水たまりの水が温いと知ったすみれさんが泥行水。 水遊びと聞いていちょうさんは、椅子の上に服をきちんと畳んで脱ぎ、お集りのお知らせを聞くと自分でさっさとお着替え。さすがいちょうさんです。「ああするのよ、こうするのよ」大人がやってしまったり、指図を受けて、大人が考える正しいやり方を身に着けることよりも、上手くいかないことを経験しながらも子ども自身が考え、何度も試みることのできるゆったりとした時間を備えていきたいと思います。

今までにない“新しい生活様式”を求められ、これまでは、豊かな言葉のやり取りや一人ひとりの表情、分かち合いなどを大切に過ごしていた日常を変化させなくてはならない日々は不安の多いものでした。また、「いつまで、どの程度まで」目に見えないものを相手に試行錯誤をする毎日に、おうちの方も、園も、気持ちをすり減らしてきたことと思います。
夏休みは、「お子さんのペースを考えゆったりとした環境を」と願いますが、今の状況を考えると、気が抜けないというところがあるのが現状ですね。

旧約聖書 創世記2章1節~2節「天地万物は完成された。第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった」と聖書に書かれております。子ども達がゆったりと過ごすこととともに、お子さんの世話をしてくださるお家の方も、休息を意識しお過ごしください。時にはご実家に戻った折に手を借りてもいいでしょう。その中で子どもたちが色々な人の温かさに触れる経験ができると思います。たくさんの人から愛されていると感じ、神様から与えられた命を大切に思うことが、平和を考える道へとつながります。8月のこの時、「戦争と平和」について、それぞれのご家庭の仕方で考える時間を持ってみてください。

「平和のあいさつ、『“シャローム”を覚えたよ』と礼拝のお話してくれました」と、あるおうちの方からの報告を嬉しく伺いました。夏休み、心も体もゆったりと穏やかに過ごすことができますようにお祈りいたしております。
(夏の預かり保育の期間に、教師も順番でお休みをいただきます。ゆったりと・・・)

文責 園長 古川

 

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7月「遊びこむ」

子どもが久しぶりにお庭で駆け回り土煙が上がる。プランターが右向き、左向きと、ダンゴムシ探しの跡。ままごとコーナーでは、ケーキ・果物が新しいお皿にきれいに配膳され、さっそく女子会、男子会‼「とっておいてねカード」もあちらこちらに置かれ始めました。賑やかな歓声、楽しんでいる気配が幼稚園に戻ってきて、とてもうれしいです。子どもたちと皆で一緒に過ごせる日々をずっと待っておりました。分散登園の間に、お庭の木々もだいぶ伸び、木陰がゆったり揺れています。摘まれていつもは無くなってしまうムスカリも、種まで育ちました。アゲハ・テントウムシの幼虫もあちこちで大きくなっています。これから、子どもたちの遊びを豊かに支えてくれることでしょう。

みんな揃っての始まりは2カ月遅くなりましたが、お部屋に集まって活動する姿は、欠けていた期間をあまり感じさせません。2回目の礼拝なのに花の日礼拝できるかしら・・思案していたのに、落ち着いてお話を聞く姿に驚きました。イライラ・モヤモヤよりドキドキ・ワクワクが先行しているように見受けられます。きっと、おうちの方が上手にご家庭で対応してくださっていたことでしょう。ご苦労を思いながらも感謝の念に堪えません。これからは幼稚園でお友達と好きな遊びに没頭し、お家ではできない経験を積み、かけがえのない一日を過ごして欲しいと願います。

手のひらの形を水性ペンで紙に写して楽しんでいた女の子。いくつか描き、グラデーションが美しい幻想的な作品となっていました。「わあー、おもしろいね。反対の手もしてみるとチョウチョの形になるよ。」何気なくそう伝え2階に上がりました。その後・・・関わった保育者の話によると、左手にペンを持ち手形を取るのは難しく、でもどうしてもチョウの形にしたくって、あれこれ30分ほど試行錯誤。自由画帳には何枚も描かれました。やっと、画帳を回して手型を重ねることで納得した様子でしたと報告を聞きました。その姿をずっと見守り、待つ保育者。あれこれ考え試すその子の根気良さ、集中力。ゆったりとした時間の流れ。

遊びこむためには、時間・空間を十分に確保するとともに、その子の思いに心を寄せ、発達に即した投げかけや提供が必要です。「うまくできたか」の結果より、そのプロセスの中に一人一人の成長を見とることを大切にしたいと思います。“三密”については頭の少し横におきながらも、いつもの年と変わらず豊かな園生活ができますよう、幼稚園がなくてはならない場であることを再確認しつつ、この使命をくださった神様に祈り信頼し、できることを丁寧に精一杯努めていこうと思います。
7月主題聖句「今日を喜び祝い、喜び踊ろう」詩編118:24

文責 園長 古川

 

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6月「やってみる」

新型コロナウイルスの感染拡大により、これまでに経験したことのない不安と混乱を感じて過ごす毎日が続きました。今まで当たり前だと思っていた時間が、どれだけ尊いものだったか、子どもたちと共に過ごせることが、どれだけ幸せで嬉しいことだったかを改めて感じる日々です。まだ困難な状況であることは続きますが、どんな時でも神さまが守ってくださることを信じ、今できる最善のことに努めていきたいと思います。

先週から分散登園が始まりました。初めての園生活に少し緊張しながらも、新しい一歩を踏み出そうとしているたんぽぽさん。1つ大きくなって、自分よりちいさなお友達にそっと声をかけてあげるすみれさん。最高学年として、さらにパワーアップしたいちょうさん。いよいよ幼稚園での生活が再スタートしようとしています。

今月の月主題は「やってみる」です。幼稚園の生活ではたくさんの【やってみる】であふれています。新しいことに挑戦するときのわくわくする気持ちやドキドキする気持ち・・・幼稚園でのたくさんの経験の一つひとつが、子どもたちの心を動かすものでありますように。子どもの思いや行動の背景を見てとって、思いを共感しながら様々な【やってみる】を支えていきたいと思います。

文責 川上 杏

 

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5月「気づく」

4月9日、2020年度の入園式が無事に執り行われました。神さまがこの日、皆を集めてくださり、出会わせてくださったことを感謝しました。参加者の数、時間等は縮小されましたが、幸せそうな笑顔がたくさんあり、穏やかな時間を過ごしました。式中に、皆で“チューリップ”の歌を歌いました。咲いた 咲いたチューリップの花が…どの花見てもきれいだな。入園する一人ひとり、神さまからいただいたその子らしさを大切にと思いました。

この日園庭で、前のたんぽぽさん、つまり今年度のすみれさんが、新しいお友だちの為に植えたチューリップを、カメラにおさめているお父さんがいらっしゃいました。丈の短い可愛いチューリップ。チューリップに気づいてくださったお父さんのように、子どもたちも大人たちも、春の喜びや愛らしさ、そこにある想いに気づき、感じ取れるような心を持って、日々を送れたらと思います。

チューリップは、厳しい寒さを耐えしのぐと丈が伸びるそうです。嬉しいこと、楽しいこと、そして…上手くいかないこと、ちょっぴり涙が出るようなことの中に、子どもたちを育てるものがあると教えられる気がします。赤・白・黄色…幼稚園生活の中で、お友だちそれぞれの素敵なところに気づき、育ち合えますように。

緑美しい5月。世の中が厳しい状況の中にあっても、神さまが創られた自然に目をとめ、その素晴らしさに気づき、心躍らせて過ごしていきましょう。教師一同、子どもたちもおうちの方々も安心して過ごせますよう、努めていきたいと思います。

文責 塩原 香

 

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年主題「こころが満たされる」 4月主題「神様の愛に包まれて」

暖かくなってきたと思っていた矢先、3月末には大雪。1月・2月に降ってくれたら、もっとたくさん雪遊びができたのに、と恨めしく思いながらも園庭を眺めると、コブシの白い花がちらほら。ヤマザクラは枝先のつぼみがほころび始めています。厳しい状況の中にあっても、必ず希望を備えていてくださる神様の御業を嬉しく感じます。

今年度より施設型給付の幼稚園となり、少し余裕をもって園の運営ができそうです。園庭・園内で子どもたちが、一人でも、仲間とでも、そして集団の中の一人としても、自発的・創造的に満足いくまで十分に遊びこみ、「あー、今日は楽しかった」と、『こころが満たされる』場所・物を整え、時間を保証していこうと思います。

ただ、『こころが満たされる』ためには、外的な要因だけではありません。子どもたちが、神様と周囲の大人に愛され、信頼と安心感を得ること。 泣いてもいいんだよ。慣れていないからできなくてもいいんだよ。わからないことは助けてあげるよ。言い出せないことがあれば、代わりに伝えてあげるからね。・・一人一人の心持ち(表現)をありのままを受けとめていきたいと思います。
そして、自分は自分であってよいという感覚=自己肯定感。それは、「神様に作られ愛されているがゆえに、無条件で尊い」事を、毎日の生活で感じるとることができるよう保育に携わりたいと思います。

遠くに転勤するからと、春休みに挨拶に来てくれた小学生が、園内で自分達の作った卒園制作を見て、大型積み木で遊び、相撲一番勝負をして!! 松本から離れる気持ちに折り合いをつけて帰って行きました。「鈴蘭幼稚園のような小学校があったらって言っているんです」とお話しくださったお母さん。「どこに行ってもどんな時でも、神様がともにいて守ってくださるから」そう思いながら手を振り、祈りました。

一年間、神様の愛に包まれていることを覚え、こころが満たされる毎日となるよう、お家の方と共に手を携えて歩んでいこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

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