学校法人 鈴蘭幼稚園

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前月までの園長のことば

すずらんの花2019年度
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3月「かけがえのない」

厳寒の朝、鳥の鳴き声にふと目をやると、バラの実をついばむ黄緑色の鳥が。ウグイス?まだ早いかな。メジロかな?そっと近づいたのですが、さっと逃げてしまいました。こんなに寒い時にも、神さまから“かけがえのない”ものとし守り育てられている命を感じ、感謝した朝です。

「空の鳥をよく見なさい」(聖書 マタイ福音書6章26節)
「いつのまにか僕たちは一人で歩いていたよ。6年前にこの世に生まれた小さなこの命」
年長児が卒園に向けて準備する歌が聞こえてくる季節となりました。子ども達が幼稚園で過ごした時間は、長い人生からするとほんの少しの短い時間でしかありません。その中で、私たちは何を伝えることができたのだろうかと振り返ります。「園長先生これから放送するから!」回転寿司屋さんの準備ができたとマイク前に集まって来た年長児。「あのね、いちょうさん13人ぜぇ~いんがお寿司屋さんしてるんだよ!!」と声を弾ませ、「だから早く」とアナウンスする準備をせがまれました。

『13人全員がいて、みんなとつながっている!』年長児が園生活の中でつかんできたこの感覚は、なんと貴重な経験だったことでしょう。
『お友達、みんながいるから楽しい、嬉しい』『一人一人が用いられている』は、「みんなで過ごすと楽しい社会」「どの一人も大切な一人として受け入れる社会」を、きっと作り上げていってくれると信じてやみません。

『たいせつなきみ』(作:マックス・ルケード) これは「ウイミックス」という木のこびとたちのお話です。彼らは、エリという彫刻家によってつくられ、みんな同じ村に住んでいます。ウイミックスたちは、金ピカのお星さまシールとみにくい灰色のだめ印シールを持ち、お互いにそのシールをくっつけあって暮らしているのです。 だめ印シールばかりを張られてしまう主人公のパンチネロ。その作り主、エリに会いに行き、「他人の評価は問題じゃない。おまえのことを大切に思っているよ」 と諭されます。その言葉を信じ歩き出したとき、彼のだめ印シールの一つが、ぽろりと地面に落ちるのです。

「かけがえのない」一人として、おうちの方、お友達、先生、そして、神様から愛され、また、友をかけがえのない一人として受け入れることを知っているいちょうさん。幼稚園で育まれたこの思いを胸にいだき、また新たな一歩、自信をもって踏み出していって欲しいと祈ります。

 

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2月「協力する」

まだまだ寒い日が続き、暖かい春の日差しを待ち遠しく思います。
日々、子ども達を見ていると、たわいない遊びの中でも、みんなで協力したり、励ましあったりしていることが良く分かります。お片付けをしていると「おてつだいするよ」と声がけをしたり、困っている子がいたら助けようとする姿。皆で作った料理を他の年次の子たちやお父さん、お母さんにおすそ分けしようと思いついたりも。誰かのために心も体も動かすことのできる子ども達です。

4月に入園したての頃は、園に慣れる事だけで精一杯だった、たんぽぽさんも、いちょうさんやすみれさんと過ごすうち、一緒に取り組むことや誰かに喜んでもらえることの楽しさを知ったようです。クリスマスには、園庭のモミの木をみんなで飾りつけました。色とりどりの飾りを枝につけていくと、素敵なツリーに変身。モミの木もキラキラの衣装を身にまとって喜んでいるように見えました。

すみれさんは、春にみんなで植えたさつまいもを使って、秋に「とんじるパーティー」を開催。幼稚園のみんなを招待し、野菜のクイズや「山の音楽家」の歌で楽しませてくれました。そして、神様にたくさんの秋の恵みを感謝することができました。 いちょうさんは、クリスマス礼拝、燭火礼拝で、イエス様の降誕劇をおささげすることができました。13人の心を合わせた姿に、見ていた子ども達からも「感動したね」「歌もとても素敵だったよ」との声が上がりました。また一つ大きくなった、いちょうさんです。「小さな力」が合わさると、驚くほどの「大きな力」となり、私たちの気持ちをいっぱいにしてくれました。

これからも共に協力する中で、思いやりや気配りの心が育ち、お互いの間に友情や絆が育まれていくことでしょう。

 

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1月「取り組む」

アドベントクランツを作るための杉の葉が手に入らずに、源池小学校にお願いし校庭の枝葉を分けてもらうことに。3メートルほどのはしごの上で、ぐらつきながら髙枝バサミを駆使しても、ゴミ袋3つを一杯にするのがやっと。体力を使い果たしたのにこの成果かと枯木星輝き始めた頃、肩を落として園に戻った昨年。

その様子を知って、今年は職員の一人が親類の方に依頼し、若い緑耀く杉の葉を山から切り出して持って来てくれました。恵みに感謝です。ですので、今年はふんだんにある杉の葉を使ってリースにクランツにと使い、教会そしておうちの方にもおすそ分け。園のバラの実もお分けしましたが、お家で思い通りのリースが出来たでしょうか?
『やってみたい。取り組んでみたい!』と思う動機ってなんでしょう。

2ヵ月間、「なんでできないんだろ」とつぶやきながらも、毎朝縄跳びに取り組んだ人たちが、今では20回程の連続前回しを嬉しそうに見せてくれます。きっかけはお友達や運動会の年長児の姿でしょうか。今まで一人静かに製作したり、黙々と砂のお料理をしていたりしていたたんぽぽさんが、ドレスを着ている姿発見!ニコニコして数人でのおままごとに夢中。中にはドレスを後ろ前に着て、「チャックが前!?」の人もいるけれど、「自分で着たいの!」という理由に納得。友だちと関わることが楽しくなっている様子です。手を引かれ連れて行かれた先で、衣装を指さしながら、「内緒だよ。僕はこの色のマント付けるんだ」降誕劇の配役・衣装が決まり、やる気満々のいちょうさん。「お兄ちゃんはね・・・」兄弟関係のある人たちは、『今度は自分の番。でも、同じ役じゃないよ、僕はねこの役』目を輝かせて教えてくれます。

『取り組みたい』と思うには“内的動機付け”が必要です。誰かにやらされるのでなく、自分がやりたいと決定し、そのものに楽しみを見い出せること。また、自分が出来ることより少しだけ高いハードルである事。そして最後に、良き見本を身近で感じられること。
鈴蘭幼稚園の遊びや活動が伝統となり、子ども達の『取り組む』を後押ししている事に嬉しさを覚えるとともに、私たちも良き見本でありたいと心正されます。

1月のお礼拝では、成長されたイエスさまのお話がたくさんされます。私たちの一番良き見本は、イエスさまです。ハードルはかなり高いけれど、「イエスさまの様にありたい」と思い心に留めておくことは出来そうですね。
わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」マタイによる福音書25章31-46節
冬休み、お子さんと共に過ごす時間・・・・御言葉を心に留め、親子に備えられた豊かな時として、温かな気持ちで過ごされますようにとお祈りいたします。

 

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12月「喜ぶ」

秋が深まり、園庭はヤマザクラの葉が最初に色付き、美しい色の葉を落としました。続いてトチの木、コブシ、エノキ、ナラカシワと続き、最後ヤナギが葉を落とすと冬の到来です。木々が黄色・オレンジ・赤・茶色と着替えをしていき、特にエノキの金色の葉が風にのって舞い落ちるときは、妖精が舞い踊っているようでとても幻想的。枝葉によってはヘリコプターのようにくるくる舞い落ちて驚きを誘い出してくれます。そんな豊かな色彩が朝日を浴びて光り輝く中を子ども達が登園。そこでのふとしたつぶやき・様子がとても心温まるのです。

ずっと休んでいたお友だちが幼稚園に登園すると、にこっと笑い合って嬉しそうに追いかけごっこをするたんぽぽさん。「大丈夫だったのかな、○○ちゃん」その時の様子を詳しく話してくれ、怪我したお友達を気遣い心配するいちょうさん。「○○ちゃんが、不安だって泣いてるの!」大人びた口調で伝えてくれ、「何が心配なのか聴いてあげてくれる?」と伝えると、「うん」と言って駆けていき、横にしゃがんでその子の顔を覗き込むすみれさん。どれも朝一番、登園間もない少しの時間の出来事。言葉にはならなくても、想いを分かち合えたり、お友だちの痛みを自分の事のように感じ心を寄せたり、できることはないかなと慮る姿、朝日輝く様と相まってとても眩しく見えました。

「喜ぶ」・・・想う相手がいると、喜びもふくらみ、胸の奥の方が何か温かくふわっとしませんか。12月「イエスさまが飼い葉桶の中でお生まれになった」その意味をたどりながら、弱い者にこそイエスさまが来てくださることを喜び、変わらない日々を過ごすことのできる幸せを、想い想われる仲間がいることの幸せを毎日心に留め、感謝したいと思います。また、様々な場所で困難にある方々を覚え、祈りながら、小さなことでも私たちにできることを考える時となる事を願います。

 

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11月「共感する」

先月の運動会の始まりと終わりに、神さまに祈りを捧げた、いちょうさん達がいました。天を仰ぎ、考えて…考えて、想いを言葉にしていました。多くの方々・子ども達が、耳を傾け、その言葉をあたたかく待っていました。

「いちょうさんも、すみれさんも、たんぽぽさんも、みんなが来られたことが嬉しい、感謝します」と祈りました。その祈りを聞いて、そこにいたみんなが、そうだ、本当に良かった、嬉しいと思ったことでしょう。

日々の生活の中で、子ども達の祈りを聴きながら、気付かされることがあります。「今日いっぱい遊べました。神さまありがとうございます」「遠くの国ではご飯が食べられない人やお水が飲めない人がいます。戦争をしている国もあります。どうぞお守りください」安心して遊べる幸せや、会ったことのない・行ったことのない国の人々の苦しみを感じて寄り添う…平和を考え、平和を愛する言葉です。

春夏秋冬、子ども達は、あがたの森にお散歩に行くことが大好きです。お弁当を持って出掛けると、ピクニックみたい! お弁当を食べ終わった時、「おなかのお休みどうするの?」と子ども達に聞かれ、考えていたら…芝生の上で大の字になって寝ている子が!「おなかのお休みしている!」「本当だ!」「あれを、おなかのお休みにしよう!」「わぁー!」「いいねぇ!」楽しいことを分かち合い、一緒にいられて嬉しいねと笑い合えることが、どんなに素晴らしいことかと感じている笑顔でした。

素敵だね、すごいね、悔しい! 悲しい、頑張ってみよう…たくさん心を動かして、生きている子ども達。互いに気持ちを通わせ、上手くいく時・行かない時、両方ありながら過ごしています。両方が子ども達を育てます。

運動会で、あるお父さんが我が子の様子をご覧になって、「友達と、にこにこしているだけで、涙が出そうになりました」と言われました。あたたかな眼差しの中で、我が子を愛され、育てられていることを感じました。子どもの幸せは、おうちの方の幸せ…傍にいる大人も、子ども達の想いを共に感じる心を持てたら、何と幸せなことでしょう。

 

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10月「楽しむ」

夏の暑さと秋の涼しさとちょうど半分。「今日は暑いから夏だね~」また次の日は「今日は少し涼しいから秋かな」と日ごとに季節の移り変わりを感じる毎日です。

先日はいいお天気の中、バスに乗って遠足に出かけてくることができました。大きな青空のもと、遊具で遊んだり虫を探したり、たくさんの自然を目で見て、耳で聞いて、肌で感じながら、1日を過ごすことができました。楽しみにしていた大きな飛行機を目の前に大喜びの子どもたち。「飛行機の運転手さんが手を振ってくれた!」と目をキラキラさせながら教えてくれる姿も。「飛行機とどっちが早いか!よーいどんする!」と張り切って待っているけれど、なかなか離陸しない様子…「なにしているかな~?」と尋ねてみると「これから空を飛ぶから、その前にひと休みしているんじゃない?」とポツリ。いざ飛行機が進み始めると急いでよーいどん!いい勝負かと思いきや、飛行機がすごい勢いで加速。「わぁ~飛行機の勝ち~~!!」わくわくどきどきしながら心も体もたくさん動かしました。

どんどん体力がついてきている子どもたち。いまは運動遊びに夢中。サーキット遊びを楽しんでいるたんぽぽさん。少し難しいことにも挑戦してみよう!と張り切るすみれさん。トガリィからの『挑戦かーど』に一生懸命取り組むいちょうさん。体を動かすって楽しい!お友達と一緒だからもっと楽しい!子どもたちが心待ちにしている運動会まであと少しとなりました。1人ひとり色々な過程を通りながら「楽しむ」生活に心をとめていきたいと思います。

 

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9月「やってみたい」

今年は梅雨明けが遅かった分、一気に暑さの厳しい夏となりました。そんな暑さの中、8月は平和について考える時でもありました。戦争を体験した方々の中でも「今までどうしても語ることができなかった」という方が、「今、語らなければならない」と感じて語る切実な声に私たちは耳を傾けなければなりません。7月の礼拝では、子どもたちと共に平和について聖書のお話を聞いてきました。

平和は、何もしないで待っていれば実現するものではなく、造り出すものだという言葉が心に残っています。戦後僅か8年という時に、『ひろしま』という映画が作られていたことを知りました。そして、演じているエキストラの多くが、被ばく者の方々だったということに驚かされました。原爆投下直後の広島で自分が見た光景がそこに再現されるそんな現場で、「見たくない…思い出したくない」ということもたくさんあったでしょう。けれど、真実を伝えたい、後の人に残さなければ、という思いで撮影をしたのです。その強さに心打たれました。

家庭でゆったりと過ごした夏休みは、様々な人との出会い、楽しいできごとや新しい経験、心動かされることがたくさんあったことと思います。その一つひとつを心に蓄えて、2学期の園生活が始まりました。子どもたちは、体験したことを話したり聞いたりして、友だちと共有し、刺激し合っています。そして、「○○ちゃんみたいに私もやってみたい」「○○くんと一緒ならやってみようかな」と、遊びだしていきます。 “やってみたい”という気持ちの芽生えはすでにあちらこちらで見えています。いちょうさん、すみれさんに憧れて、一緒に木登りの列に並んだり、縄跳びや竹ぽっくりを手に取ったりしているたんぽぽさん。「たんぽぽの時は低いのしかできなかったけど、すみれになったら高いのができるようになったの!」と、嬉しそうに鉄棒で遊ぶすみれさん。「今度はこれやってみる!」と、トガリィからもらった挑戦カードを片手に、目を輝かせているいちょうさん。暑さが和らぎ、体を動かして遊ぶことや自然の変化を見つけることが楽しくなってくる9月、子どもたちの“やってみたい”の芽が大きく育っていくことでしょう。私たちも、子どもたちがどこでどのように心を動かしているのかを見つめ、自分で踏み出す一歩を見守り、喜びを共にしていきたいと思います。

 

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8月「ゆったりと」

新しい生活を始めて4か月間。一学期が終わります。
たんぽぽさん/今まで、何でも自分の思いのままに過ごすことができたお家での生活。そこから一変して、幼稚園では好きな遊びをしていても、順番があったり、交替しなければいけなかったり、いつも一番にはできなかったり。みんなで過ごす中で窮屈に感じること、ストレスを覚えることも多かったことでしょう。でも、最近様子が変わり始めました。
「○○くんおっはよー」名前を呼んで朝の挨拶。ちょっと照れくさいけれど、自分に向けたメッセージを伝えてくれるってとても嬉しいことのよう。笑顔がこぼれます。虫探し、砂・水遊び、おままごと。自分が安心してできる遊びを見つけられるようにもなりました。お弁当前、お帰りの時間などは、「楽しいことが始まる!」ってわかってきたのか、自分たちで椅子を運び、ちょこんと座って待つ姿も見られます。手遊びも大好き。定番のグーチョキパー、むすんでひらいて、とんとんひげじいさんから始まって、いわしのヒラキ、メロンパンください、小さな畑、UFOに乗って、キャベツの中から、バスごっこ、ブタがあるく・・・ お弁当の前には、おべんとうばこのうた、お弁当箱あけたら、1本と5本で、などたくさん手を動かしました。お帰りには、ぬいぐるみ探し(連絡ノート、上靴でも)はなはなごんべさん、たけのこいっぽん、なべなべそこぬけ、どろぼうゲーム、ルールのある遊びに盛り上がっています。みんなとするから楽しいね。だから少し待つこと、我慢することもあるんだね。毎日生活を共にする中で気がつき始めているたんぽぽさん。とても嬉しい成長の姿です。

すみれさん/図書コーナーでの積み木遊び、もりの部屋での制作と活動場所が広がり、遊びも多彩になりました。外のタイヤを運んで踏み台にし、たいこばし・鉄棒で逆上がりと活動的な姿も見られます。(たんぽぽさんもそれを見て真似し始めています)その分、片づけは大変!時間はかかっても、自分たちで最後まで頑張っています。楽しい事(おいしいところ?!)だけではなくて、それに伴うすべきことにも責任を持って関わるということを覚えているすみれさん。一年の差を大きく感じます。

いちょうさん/“トガリィに誘われての冒険”(サマーキャンプ)を終え、充実感にあふれ、また、お友達との絆が深まった様子。この活動は年長児にとって一大イベント。でも、年長になったからする活動ではなく、今まで積み重ねてきた経験や自信(みんなといるから楽しい、一緒なら安心。生活に必要なことは自分でするから大丈夫)が後押しするからこそできる活動なのです。一緒にキャンプに参加する中で、素敵な、頼もしい姿を見せてもらいました。この冒険を糧に、益々のジャンプアップを期待します。

夏休み・・・ 心と体を動かし、頭をフル回転させてきた一学期。お休み中はお家に方に守られ、包まれて過ごす中でひと息つき、ゆったりと過ごして欲しいと思います。何かをすることより、一緒に過ごせたことが大切。お休み明けの再会は、喜びと共に経験したことを持ち寄り、分かち合いたいと思います。豊かな時を過ごせますようにと祈っております

 

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7月「試す」

水筒のお茶をごくごく飲み干し汗ばむほど蒸し暑い日があったり、「ストーブ少し焚く?」と会話するほど肌寒い日があったり。寒暖差は、この時期と信州ならではの気候の特徴でしょうか。季節を肌で感じる毎日、お子さんの体調の変化にも敏感でありたいですね。

鈴蘭幼稚園は、2017年に信州型自然保育をする幼稚園として長野県から認定を受けました。神さまの創られた自然は様々。まぶしいほどの太陽の光、木々の葉の色彩、そよぐ風、鳥たちのさえずり、弾む雨音、一つずつ違う花の香り、空気、雲、気温、そして人間、命。みんな違ってみんないいものばかりです。神さまの大いなる業に感謝しながら自然を取り入れ、違いを良さとし、むしろ価値ある贈り物として受け入れ、五感を豊かに刺激する直接体験が豊富な園として認められました。ちょっと鼻高々です。

「あっ、芽が出た」“ドングリを土に植えたらどうなる?”と昨年から観察続けてきたいちょうさん。冬の間は変化なく、「やっぱりそう簡単には芽は出ない・・」と諦めかけていたようですが、5月半ばプランターにいくつもの新芽が。「トトロとおんなじじゃん!」「夢だけど、夢じゃなかった!」みたいな。園庭の片隅に植えられるかなと思案中の様子。(年中はサクランボの種バージョンらしい)

庭でみつけたアオムシ・テントウムシの他、クワガタの生態観察を始めたすみれさん。「虫同士お相撲するかな?」と試してみたい様子。その前に「持てるかな?」と先生たちはすみれさんを観察していたりして。一つの小さな命とどう関わっていくのでしょうか。

「こんなにいたんだよ」たんぽぽさんが手を突き出すので、「見せて」というと、開いた手のひらから山ほどのダンゴムシ!捕っては握り、捕っては握りを繰り返ししていたのかと思うとなんだかおかしくって。数日後、先生から声をかけられ、自分達でも考えた様子。砂遊びのバケツを、一人一つずつ持って歩くたんぽぽさんの行列がありました。今はみんな一緒が楽しいね。

たっぷりとした時間の中で、試したり、考えたりし、楽しいことをする中でお友だちと繋がり、興味や関心をとことん追求することができるこの季節であってほしいと願います。  
園長室からは、藤棚に実がついているのを発見。昨年はストーブの横に種を置き、“パッチン”実験をしたけれども、今年は、若葉・つぼみ・花・種、みんな食べられるようなので、どれか一つでも・・・試してみようかな。

文責 古川

 

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6月「関わり合う」

新しいクラスでの生活に慣れ、たんぽぽさんも一日の生活が始まりました。10連休明け、元気よく登園してくる子もいれば、おうちの方と離れられず門の前で涙する子もいました。お友達が泣いている姿を見て、「一緒に遊びに行こう」「大丈夫」と優しく声を掛け寄り添う姿が見られました。泣いていた子も気持ちを切り替えて園庭で元気よく走り回ったり、水遊びをしたり、泥んこになりながら笑顔で遊んでいます。また、連休中の出来事を嬉しそうに話をする子もいて、おうちの方と楽しく過ごせて良かったと感じました。

先日の遠足では、子どもたちと自然の中を冒険して、虫、花、風、北アルプス、動物、神様が創られたすばらしいものを感じてきました。冒険の途中、アオムシをアリが何匹かで協力をして巣に運んでいるところを発見し、「まだこのアオムシ生きているのに、アリさんのえさになっちゃうなんて、可哀想だよ…」とアオムシ心を寄せている子どもたち。少しショックを受けている様子でしたが、壮大な自然と関わる中でこうして虫たちも頑張って生きているという事を学べたのではないかと思います。自然との関わりだけでなく、人との関わり(年下の子の面倒を見る、友だちと協力して探し物をする、ルール・順番を守って遊ぶ、大人の人と一緒に遊ぶ)など、幼稚園での生活の中だけではできない様な経験も遠足を通してできたと感じます。いちょうさんは特に、冒険の途中でお散歩中の夫婦やランニングをしているお姉さんなどに会い、その都度、「こんにちは」と元気よく挨拶をしていました。すると、「鶯が鳴いていたよ」と教えてくれたり、「頑張ってね」と声を掛けていただいたり、地域の方と関わるという経験ができてよかったと思います。

6月に入るとお花が咲いたり、花の日礼拝で地域の方との関わりがあったり、梅雨の季節になり雨がたくさん降り、カエルや色々な虫たちが活動を始めたり…。ますます自然に興味を持ち、親しんでほしいと願います。子どもたちはみんな素敵な心を持っていて、その心をよく動かす事ができます。5月からの色々なものとの関わりをさらに深めていけるように、私たち教師も子どもたちとよく関わり過ごしていきたいと考えます。

文責 胡桃

 

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5月「見つけたよ」

春が満ち溢れている今、寒さに硬くなっていた身体も活発に動き出しました。入園した子ども達は少しずつ新しい環境に慣れて、入園当初、涙していたたんぽぽさんも笑顔になり、楽しそうに遊ぶ姿が見られるようになりました。さわやかな風に誘われて園庭に出た子ども達から、「先生、ダンゴムシ見つけたよ」、「チューリップ咲いたね」と、春を探す姿もあります。目に見える形、実際に触れられる物に感動し歓声を上げる子ども達。これからたくさんの物を見つけ、いろいろなことに気づいて、感動していくことと思います。

鈴蘭幼稚園に入園して、イエスさまの存在を知った子ども達。初めは、教師や友達を見て、小さな手をくみ、「ちいさいおててをくみあわせ・・・」と讃美歌を歌ってから、お祈りが始まり、「アーメン」と言ってお祈りが終わります。目を開けた子ども達の表情は明るいです。その時により、お祈りの内容は違いますが、心を込めてお祈りします。讃美歌、お祈り、聖書のみ言葉を、聞くことを通して私達は神様と出会います。それは、目に見えるものではありませんが、お祈りをするという体験を重ねることで、神さまを身近に感じていくのだと思います。神様がいつもそばで見守って下さっていることを心にとめて、子ども達と日々を過ごしていきたいと思います。

もうすぐ長い連休を迎えます。入園された子ども達ばかりでなく、在園児も、おうちの方々も、4月の疲れや緊張がたまっていることと思います。どうぞ御家庭でリフレッシュをして、5月に元気な姿を見せて下さい。また、新たな「見つけたよ」の声が聞かれることを楽しみにしています。

文責 駒村

 

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年主題「ことばに満たされて ~ひびきあう~」

今年の年主題は、「ことばに満たされて ~ひびきあう~」です。幼稚園にいると、泣き声が聞こえればもちろん、少し強い口調や尖った言い方、怒鳴り声がすると、皆がはっと足を止め、その場に駆けつけます。また、反対に笑い声、楽しそうに会話をしていると、これまた子どもたちは敏感。「何話しているの?」とおもむろにお部屋をのぞき込み問いかけます。子どもたちは、「ことば」を音声としてだけでなく、気持ち、表情・眼差し・ぬくもり・声のトーン・リズム・その場の雰囲気を、そして互いの関係性をことばの中から五感全てを使って感じ取っています。そう思うと、私たちは日頃子どもたちにどんなことばを、どのように投げかけているのかなと、背筋が正される思いです。

ことばによって得られる、気持ちが通じ合う経験、ことばが無くても、言いたい思いを受けとめられる安心感、上質なことばを投げかけられて得られる自信や達成感・・・
ことばに満たされて、子どもたち同士、そしてお家の方と、保育者と、皆がひびきあって、美しいハーモニーを奏でるように毎日を生活していきたいと思います。

「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」ヨハネによる福音書1章1-5節
礼拝は、神さまがくださることばが吹き込まれる時。みことばに触れながら、神さまの恵みに触れ、神さまに生かされていることを感謝する時です。「神さまが一緒で嬉しいな」そんな礼拝となりますように、“ことば”を大切に子どもたちに渡すことができたらと思います。

『うつくしいけれど トゲのある ばらのようなことば
ありふれているけれど うれしい シロツメクサのようなことば』
ことばのかたち・・・おーなり由子作より

月主題 4月「ありのままで」

一人ひとりの子どもたちの表情・仕草・つぶやき。ありのままの姿から、「今この時、どんな思いをもっているのかな」その全てをまず、受けとめていこうと思います。添えることばが必要だろうか。いや、思いがあふれだすのをちょっと待ってみよう。一呼吸置く時も必要。心地よく安心して過ごす園生活を心がけたいです。

今年度より、すずらんだより巻頭言を、学期初め・学期終わりは園長が、その他の月は、教師それぞれが担当することとなりましたので、よろしくお願いいたします。

 

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