学校法人 鈴蘭幼稚園

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前月までの園長のことば

すずらんの花2021年度
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3月「信じる」

今年は何度か雪が降り、子ども達が楽しむ格好の素材が得られました。雪だるまを作りながら、もっと雪がないかと探すいちょうさん。「畑にはあるかも!」屋根の雪に気を付けながら歩いて行くことを伝えられ、(屋根の雪は、ほとんど落ちていましたが)園の裏の畑へ。真っ白い雪をたくさん見つけて大喜びし、大きな雪だるまを作り大満足。でもどうやって園庭に持っていくかとなった時に、「屋根の雪が危ないって先生言ったんだから、後は先生が運んで」と子ども達。教師がトロッコで、丸くなった大きな雪玉を一生懸命運んだとの報告がありました。とことん遊び込む中、教師が仲間として受け入れられ、信頼できる関係が築かれていることが分かります。

園庭では、泥だんごを作るためにだいぶ削られ低くなった築山に、雪を盛ってそり滑りをする姿がありました。勢い良く長く滑る!とまではいかないのですが、それでも「あー、楽しい」といった声が聞かれ、何度も何度も繰り返していたすみれさん。どんな状況であっても楽しむことを見つけ、物事を肯定的に捉える姿勢が身についているようです。

1月末、私が足を怪我してしまい片方の足を引きずって幼稚園に登園した最初の日の事。さっと二人のたんぽぽさんが私の横につき、「大丈夫?」と手を握り、ゆっくりとした私の足取りに合わせて玄関まで連れて行ってくれる優しい姿が。一年間でこんな気遣いができる育ちがあったと思うと、ぐっと込み上げてくるものがありました。

今年度は本当に様々な出来事があり、時に、落胆し、失望し、懺悔する日々を経験しております。そんな時だからなのでしょうか。私は幼稚園での生活の中で、神様と出会います。未熟で心弱い者でも、仲間として受け入れてくれる子ども達。「この世界は、楽しいことたくさんあるよ」感謝を持ちながら喜び受けとめる子ども達。困難を抱えている者に、そっと寄り添い共に歩んでくれる子ども達。子ども達の中に神様の姿を見つけるのです。

あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます
コリントの信徒への手紙一 10:13

私が、子ども達に新たな一歩を踏み出す勇気をもらっているように、子ども達も、どんな時にでも共にいてくださる神様がいる事、そして、子どもたち自身が周りの者を明るく照らしてくれる光の子である事に自信を持ちながら、これからも、いつもお守りくださったイエスさまが導いていてくださることを信じ、希望を持って新しい歩みに向かって欲しいと願い祈っております。

文責 園長 古川千尋

 

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2月「わかちあって」

厳しい寒さが続く日々ですが、子どもたちは白い息を出してみたり、氷を作ってみたりと小さい体で季節を感じながら過ごしています。雪が積るとさっそく雪だるま作りやそり遊びへ。たんぽぽさんは幼稚園の初めての雪の景色に気持ちが高まります。「先生、雪を食べに行ってくる!」と元気よく園庭へ駆け出した子。どんな味だったのかを聞いてみると、「普通の味!」との声。普通の味はどんな味?「雪の味だよ」「わかんないけど味がしなかった」季節ならではの発見の瞬間でした。遊びを通して自分たちで発見をしたことは、大きな学びとなり、また1つ新たな知識に繋がっていきます。

春から夏、秋と過ごし、冬の子どもたちの姿には、目に見える成長が沢山あります。いちょうさんは生活の様々なところで見本となってくれます。すみれさんはたんぽぽさんやふたばさんの遊びの相手を優しくしてくれます。たんぽぽさんは遊びに継続性がでてきました。ふたばさんもお兄さんお姉さんたちと関わりながら好きな遊びを続けています。2月の聖句が「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい」マタイによる福音書10章12節です。神さまが私たちと共にいてくださる中で、早く安心できる平和な生活が戻ってきますようにと願いながら過ごしていきたいと思います。日々の喜びや楽しさ、そして今だから感じる不安な気持ちも皆でわかちあって、支えあいながら寒い冬を元気よく乗り超えていくことができますように。

文責 西澤

 

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1月「じっくりと」

月聖句「子よ、元気を出しなさい」マタイによる福音書10:12

だいぶ寒さが増し、子ども達の中にも体調を崩すお子さんが多くなってきました。体が寒さに慣れて体調が回復することをお祈りいたします。そんなことで病院に行く機会も増えたせいか、すみれさんのお医者さんごっこが面白く展開されております。

布団に3人ほどが寝かされ、入院患者で満員の病院。白い紙の真ん中に赤い十字を描いて切り、ナースキャップに見立ててかぶっている女の子がいました。ごっこ遊びをしている男の子も、「あそこ病院みたいだから、怪我したら行ってみようかな」と遊びが繋がっていきます。2日ほどして様子を見に行くと、パソコンが2台・・・入院してきた患者さんの症状がコロナかどうか調べるために、まずパソコンを作ることになったとの事。画面に、「くびのげんしょう うでのげんしょう あしのげんしょう のどのげんしょう」と書き込まれ、検索履歴がわかります。もう1台は、すぐ救急車が呼べるようエマージェンシーコールがついていました。 薬も「あさ ひる ばん いちにち3かい」など書かれた袋の中に入れて渡され、患者さんがたくさん訪れています。

『(略) 作ったものを(教師に)見せてくれ、「これはね、腕にはめるだけで熱があるか判断できる機械なの。病気もわかるんだよ」と説明してくれました。そして私の腕にはめて、「38度の熱があります!コロナか調べる機械がないので、入院していただきます」と診断してくれました。』『病院ごっこ楽しかったみたいで家でも話してくれました。それにしてもハイテクな機械を作ったんですね。コロナもすぐ判定できる機械、作ってくれるといいですね』連絡ノートより

そんな遊びの様子を見ていたたんぽぽさん。「あれ(お医者さん)がしたい」教師にお願いし、以前遊んで使った額帯鏡(がくたいきょう)や聴診器、注射器などを出してもらいお医者さんごっこのはじまりはじまり。こちらは入院患者一人(教師)に聴診器あてる人が2人、注射をする人2人、おでこには絆創膏、6人がかりで一人を診察と至れり尽くせりの対応です。

じっくり遊ぶ中で、「これがあったら楽しいから作ろう」「こんな風にしてみようよ」自発的に関わることで、伝えたいという思いがふくらみ会話がはずみます。今までしていた遊びでも違った楽しみ方を見つけたり、時間をかけることで習熟し、考え工夫し創り出す力となります。自分の思いが実現でき、「楽しかった」という体験が、物事に能動的にかかわる意欲を育てます。 冬休み中は、遊びが広がり深まるよう、スマホ、パソコンなど画面上の仮想空間でのやり取りでなく、できるだけたくさん実体験を伴った経験を積んで欲しいと願います。

コロナウイルスへの感染レベルが下がり、だいぶ普段の生活に戻ってきたと思っていたところに、南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて「懸念される変異株」に指定したと発表され、どう状況が変化していくのか懸念される日々です。しかし、様々な状況をも遊びに変えて楽しむ子どもたちのたくましさに励まされます。

『子よ、元気を出しなさい』とイエスさまがおっしゃいます。心を尽くして保育している者を知ってくださる方、すべての重荷を背負い、新たに歩みだす力を備えてくださる方がいらっしゃることを支えに、新しい年、皆で手を携えて良き歩み出しができますようにとお祈りいたします。

文責 園長 古川千尋

 

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12月「喜びいっぱい」

12月は、イエスさまのお誕生を祝う、クリスマスがやってきます。今年は11月28日からアドベントに入り、幼稚園でも29日からアドベントの礼拝が始まります。ご降誕の物語を聞き、イエスさまをお迎えする準備をしていくのです。年齢ごとの様々な準備のときが、クリスマスをより嬉しく、楽しくさせてくれます。

月主題に合わせた「月のねがい」の中に、〝喜びを伝え合う・祝い合う・分かち合う″という3つの言葉が出てきます。少しさかのぼって、感謝祭礼拝での経験を思い出してみましょう。野菜や果物を持ち寄って、神さまがくださるたくさんの食べ物に感謝し、野菜は豚汁にし、果物はお世話になっている方々にお届けしました。豚汁づくりでは、たんぽぽさんとふたばさんが洗い、すみれさんとたんぽぽさんが皮をむき、いちょうさんが切りましたね。それぞれに、真剣に手を動かす子どもたち。「できた!」嬉しい気持ちが溢れます。大きな鍋2つ分の豚汁が、できあがりました。いい匂いに誘われて、子どもたちが台所をのぞきにやってきました。翌日は、すみれさんが計画してくれた豚汁パーティー。歌やクイズで楽しんだ後、みんなでいただきましたよ。「これ、ぼくが切ったお芋だ!」「おいしい~!」「おかわりの時は、お芋5個入れてね」…みんなが、お腹いっぱいになりました。一人ひとりが持ち寄ったものは少しずつでも、みんなで料理し、分け合って食べたら、嬉しい気持ちでいっぱい。果物は、9個の袋に分けられ、いちょうさんとすみれさんが届けてくれました。お届け先では、子どもたちの訪問を楽しみに待っていてくださいました。そして、「もっとお仕事がんばれそうだよ」と言ってくださったり、「遊びに来てね」と声をかけてくださったりしました。私たちも、その言葉に嬉しくなりました。届けた果物は、更に分けられて、それぞれのご家族の方にも喜ばれたことでしょう。幼稚園の周りのたくさんの方に、嬉しい気持ちが広がったように思いました。

互いを想い合い、分け合うことで喜びがいっぱいになる、そんな時を過ごすことができた感謝祭。今、コロナ禍にあって人と人の触れ合いが難しい時です。けれども、このような時だからこそ、私たちは子どもたちと共に心を通わせ合う一つひとつの経験を、大切にしていきたいと思うのです。これから過ごすクリスマスの時も、喜びを伝え合い、祝い合い、分かち合うことで、一人ひとりの心が、幼稚園中が、そして、私たちの周りのすべての人々が喜びいっぱいになりますように。

文責 木下

 

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11月「深める」

月の主題聖句 「私の恵みはあなたに十分である」 コリントの信徒への手紙2 12章9節
10月11日に満三歳児『ふたば組さん』の入園式が行われ、可愛い女の子4人、男の子1人が仲間入りしました。朝涙していたのに、おままごとやお絵描きを楽しみ、お帰りになると今度は、「もっと遊びたい」といって泣き‼それでも、時にお母さんが恋しくて「ママ・・・」と口をついて出る言葉に、「もうすぐお迎えに来るからね」教師の膝で過ごすような姿も見られます。おうちの方のお膝と同様に温かさと安心感が覚えられますように、様々な年次のお友達に支えられながら、園生活に慣れることができますようにと祈ります。

ふたば組さんが幼稚園でお留守番をしているあいだ、歩け歩け遠足が行われました。年長児が年少児のお相手をしますが、身長差が30センチ近くあるペアもいました。もちろんそれは歩く速度、歩幅が違うことにもなり、ペースを合わせて歩くのは結構むずかしいのですが、いちょうさんがよくたんぽぽさんを気遣い導いてくれました。「A君の手、べちゃべちゃ!」手をつないでいると一生懸命さが汗にもなるようです。行きはブドウ畑、田んぼの中のあぜ道を通りながら、千鹿頭山の傾斜のきつい坂道を、足を踏みしめ歩き到着。これだけの道のりでも結構、「やっと着いた!」感があるのですが・・・ここから子どもたちは、「池に行ってみよう」「虫取りに行くぞ」興味先行で急な山道を転げ落ちないよう下るのです。と、その前に子ども達が楽しみにしていたおやつタイム。「すみっこぐらしのグミだよ」「ブドウ味だ」「先生は?」「ドライフルーツだよ」「何それ?」「乾かした果物」「へー、洗濯物みたいに?」もしかして、丸ごと物干し竿につり下がっているイメージしてる?!

千鹿頭池では、折れた枝を池に投げ込みエアー魚釣りをしたり、トンボ、バッタ、チョウ、カナヘビ(これはなかなか捕まらない)を追いかけたり。ススキは沢山集めてほうきにしてみたり。「お土産なの」赤い実、黒い実が袋に入れられていきます。♪カランカラン。鐘が鳴ると、降りた山をまた登りお昼ご飯。沢山歩いた事に加え、「また遊びの続きをする」との思いでいつもより食欲旺盛。いち早く食べ終える子ども達。食後には、また山を下り池に行く子、今度は見晴台までさらに山を登る子・・・なんと山を3度ほど上り下りしている計算です。運動会ごっこを経て、体力が付いてきたこの時期だからできる「あるけあるけ遠足」。帰り道は平坦な住宅街を歩くので、お日様がポカポカ、ついウトウト・・それでもいちょうさんがリードするので、目を瞑っていても足だけは動いているたんぽぽさん。今年は2人そろって夢心地で歩いているペアも!突然生け垣に向かって歩き出したので、慌てて声をかける場面がありました。そんな様子でも最後までちゃんと歩ききることができ、体も心も成長を感じた一日でした。

だいぶ昔になりますが、のんびりマイペースで歩くたんぽぽさんを、何も言わずに根気良くお相手してくれた年長児の様子を、そのお家の方に伝えました。「そうですか、ちゃんとお相手できたんですね。良かったです。きっと家の子がたんぽぽさんの時に同じようにしてもらったからだと思います」とお話し下さいました。「そうでしたか。ちなみに誰がお相手だったんですか?」・・・ その答えが我が子の名前でびっくり。その時の様子を覚えていて下さったことも嬉しかったのですが、この行事の良さをちゃんと捉えて下さるおうちの方がいて下さることに感謝したことを思い出しました。

子どもたちが、かかわりの中で嬉しさや優しさ、頼もしさを覚え関係を深めるとともに、お家の方とも、様々な経験を通して豊かに成長する子どもたちの姿を共に喜び共有する秋にできればと祈ります。

文責 園長 古川千尋

 

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10月「はずませて」

9月に入り、少しずつ朝晩が涼しくなり過ごしやすい季節となってきました。まだまだ日中は暑い日もありますが、子どもたちは園庭で体をたくさん動かして過ごしています。先日、全園児でバスに乗り、信州スカイパークまで遠足に行ってきました。前日に子どもたちと持ち物や日程の確認をしていると、「早く行きたいな」「飛行機たくさん見れるかな」「滑り台したいな」「どんな虫さんがいるかな」楽しみにしていることが伝わってくる声がたくさん出てきて、わくわくしている様子でした。

当日、おうちの方に「行ってくるね」と言ってお友だちと手を繋いで出発を待つ姿は、すみれさんもいちょうさんもたんぽぽさんも大きく成長しているなと感じました。すみれさんのバスの中では、こんな声が…「昨日、楽しみすぎてなかなか眠れなかったよ」「みんなと虫探しする!」お友だちと一緒に行く遠足、心はずませて待っていたんだなと思います。スカイパークに着くと早速、飛行機がお出迎え。「水色の飛行機!」「車より早い!」目をきらきらさせて見つめている子どもたち。「ぼくが乗ったことのあるANAの飛行機も来るかな」とつぶやく声があり、ここにはFDAが来ることを伝えると「いろんな飛行機があるんだね。ヘリコプターもいっぱい!」と夢中になって見ていました。アスレチックでは、くさりの網や木の枝のようなところを登って、滑り台の所まで行ってみようとしているすみれさん。『ちょっと怖そうだな…』と戸惑っている姿を見て、いちょうさんが「大丈夫だよ。登ったら楽しいよ」と声をかけてくれました。すると、少し怖いけど頑張ってみようと挑戦する姿が!そして無事登りきることができると、「できた!楽しい!」と満面の笑顔。「楽しかったからもう1回!先生、見てて」と何度も繰り返しアスレチックを楽しんでいました。

背中を押してくれたいちょうさん、そしてその一言で頑張って挑戦し、楽しさを感じているすみれさん。周りにいるお友だちといっしょに体をたくさん動かして遊ぶことで、楽しさを感じ、より心や体がはずむ経験が子どもたち同士でできるのだと感じた1日でした。幼稚園でも子どもたちがお互いに刺激しあいながら、楽しみながら過ごせるような環境作りをしていきたいです。

文責 胡桃

 

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9月主題「心かよわせて」

2学期が始まりました。暑い毎日、お元気でお過ごしでしたでしょうか。
1学期、年中・すみれさんは転園したお友だち3人を思い出し、「元気にしているかな。」「お友だちできたかな。」そんな気持ちを絵手紙にして送ろう!ということになりました。どんな絵を描いたら喜ぶかな、お花が好きかな、虫が好きかな…3人それぞれに心を込めて描いていました。絵手紙は、“おてがみさんぽ”と称して、みんなで郵便局まで出掛けて行き、切手を買い、わくわくしながら郵便ポストに投函しました。東京・奈良・徳島…。遠くにいるお友だちに届きますように…。手紙はいいです。手紙を投函するまで、投函した後、相手を思いながら過ごせます。会うことはできないけれど、繋がっていられることを感じられる“心”というものを、神さまは私たちにそなえてくださったことを実感しました。「元気でいますように。」「自分たちと同じ恵みがお友だちの上にもありますように。」キリスト教保育は目に見えないものを見る、感じる保育です。子どもたちの目には、見えないお友だちが見えているのです。

後日、絵手紙を受け取った3人から、お返事が届きました。その嬉しかったこと!子どもたちは大喜びでした。手紙の中には、写真が入っていて、今元気でいることがよくわかりました。「何だか大きくなっているね。」とすみれさん。ここにいるみんなも間違いなく大きくなっていますよ。体も心も。
絵手紙の経緯をおうちの方々にもお話しましたら、子どもたちと同じように喜んでくださいました。それがまた嬉しいことでした。

わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい
ヨハネによる福音書13章34節 9月に与えられた聖句です。

子ども同士、子どもとおうちの方、おうちの方同士…神さまが出会わせてくださったことに感謝し、今学期も年次の枠をこえて、交わりを持ち、互いに影響を受け合い、心かよわせて過ごしていけたらと思います。どこまでも高い青空の下、今日からまた園内では、子どもたちの活気あふれる声が響き渡ることでしょう。まだまだ暑い日は続くことと思いますが、雲の変化・風の変化・虫の音の変化・月の満ち欠けを感じる素敵な9月です。

文責 塩原

 

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8月「祈り合う」

今年の年長児キャンプは、コロナ禍でかつ雨模様という事もあり、一日目は林業センターで過ごし、その後は幼稚園で寝泊まりをしました。キャンプ活動は、「その日だけ特別な日。楽しく過ごそう」といった活動ではなく、むしろそこまでの準備段階があるから楽しく、豊かな育ちがあるといっても過言ではありません。
事前活動の中で係を考えます。教師が決めるのではなく、子ども達が大冒険キャンプ(今年はそう呼びます)に行きたいという気持ちを持ち、昨年の様子を写真などで見る中で、「こんな係があったら楽しく過ごせるのではないか。」と考える係です。

当日・・おやつ係がハートの形のランチョンマットをはじき絵で作ってくれました。ご飯係は、スプーン・箸・お茶配りと配膳準備をし、考えたクイズをしてカレータイムは大盛り上がり。
キャンプファイヤー係は、「雨で濡れると燃えなくなるといけない」からと、段ボール箱の中に薪を井形に組み準備してくれ、雨間に、「それッ!」とばかりに外にセット。手作りトーチで点火し、無事キャンプファイヤーができました。体操係は、「朝、皆の目が覚めるように」と体操を考え、そのお手本を見て体操、ダンス。お祈り係は、その時々の出来事を織り交ぜてお祈りしてくれました。その場で考えことばにするので、とっさの判断が必要。どの係も心を込めてお仕事をしてくれました。
大冒険キャンプは、いちょうさんが互いに思い合い、「仲間のためにしてあげたい」という共同意識や、「もし自分がいないとみんなが困るんだ」という責任感の育ちが感じられる活動です。お家の方から一日離れて過ごす事を通して、おうちの方もお子さんの事を祈り、ドキドキしながら過ごした一日だったのではないでしょうか。

二日目の早朝礼拝で、『樫の木の頑張りマーク』というお話をしました。(お話中略) 「それって年輪の事?」「そうだよ。いちょうさんにも、きっと外側からは見えないけれど神様がくださるがんばりマークがついていると思うよ。大冒険キャンプまでの間、『みんなのために自分ができる事何かな』って考えて頑張ってきたからね」
礼拝後ある子が、「先生達はみんな、すごくすごーく頑張っているから、丸(マーク)がいっぱいだね」と伝えてくれました。教師も子ども達から思われ、励まされていることが身に染みた時・・・。思い合い、祈り合って過ごす中で豊かな実りを感じた二日間でした。

8月は終戦の日を覚えて、戦争について考える時間を持ちます。今なお、世界各地で起こっている紛争、飢餓。コロナウイルスにより窮地に追い込まれ苦しみの中にある方々。手助けを必要とする人たちがたくさんおられるという現実に無関心にならず、自分たちにできることを見つけ出したいと思います。子ども達の心は柔らかくしなやか。「知っていて欲しい」「覚えていて欲しい」そんな思いは、何か子どもの心に引っかかるものがあるようです。のびのびとした、子どもからの発想を大切にする時間とともに、大人が、「大切にしたいこと」を伝える時間も夏休みの間に作れるといいですね。平和を教えてくださった神様が、私たちにも平和を作り出すことを望まれていることを覚え、祈り合う時を持ちながら。

文責 園長 古川

 

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7月「心ゆくまで」

今年初めてスプリンクラーを使い、水あそびを楽しんだ子どもたち。初めて見たスプリンクラーに「なんだろうこれ…?」と興味津々で近づくたんぽぽさん。その姿を見ながら、「近づいたら水が出てくるんだよ…!」そう分かっていながらも、にこにこで近づいていき、案の定、水が出てくると嬉しそうに逃げていくすみれさん・いちょうさん。水あそびのあとは、たくさんできた水たまりに寝転がって、「さっきのお水は冷たかったのに、こっちはあったかいね」不思議さと共に全身で泥の感触を味わいながら、穏やかな時が流れます。

梅雨の時期が近づいてきた頃。「カタツムリいるかな~?」畑に探しにいってみると、「土の中にいるかも!」1人の子が教えてくれたので、ドクダミの葉っぱの近くをシャベルで力いっぱい掘ってみたけれど、土が硬くてなかなか掘り進められません。そこへ水の入ったジョウロを持ってやってきたいちょうさん。「本当はお野菜にあげるためだったけど、いいよ」掘りやすくなるように、そっと地面に水をかけてくれました。1人ひとり違った子どもたちの視点や気づきから新たな発想が生まれ、遊びが広がっていくようでした。

7月の月主題は「心ゆくまで」です。神様が創ってくださった豊かな自然の中で、心ゆくまで遊び、心身ともに満たされる。そんな日々を守り、支えていきたいと思います。

文責 川上

 

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6月「やってみたい」

過ごしやすい季節となり、子ども達も外遊びを思い切り楽しんでいます。
「この花は何ていう花?」「この虫は何だろう?」と多くの事に興味を持ったり、「木登りしたい」「竹馬したい」「鉄棒やりたい」など、やってみたいことに挑戦したり、する姿もあります。

保育者として、子ども達のやってみたいという気持ちを大切にした保育をしたいと思っています。子ども達のやってみたいには、「この遊びやってみたい」「一人でやりたい」などたくさんあります。また、中には少し危ないのではないかと思ってしまうことや、すぐに実現することが難しいように思うことがあります。例えば、太鼓橋や木登りなど落ちたら危ないと思ってしまいます。しかし、全てを危ないからやめておくで良いのかと考えてしまいます。危ないことにも大人の手を借りて挑戦することで、子どもたち自身多くの事を学ぶと思うからです。また、すぐに実現することが難しいことでも、どうすればできるのか試行錯誤することが、大切に思います。

その為、やってみたいことを我慢させるのではなく、できるだけ挑戦させてあげたい、その様な環境を整えてあげたいと思っています。

幼稚園生活の中で、多くのやってみたいことに挑戦をし、成功や失敗の中で学びを深めてほしいと思います。

文責 原

 

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5月主題「動き出す」

それぞれに期待と緊張をもった新年度の始まりから、2週間が経とうとしています。
「初めての集団生活」「初めての友だち」など、たくさんの「初めて」を経験しながら、幼稚園という小さな社会へ通い始めたたんぽぽさん。いちょうさんとすみれさんも、この初めての日々を積み重ねて、今の園生活が子どもたちの日常となってきていることでしょう。

春の暖かな陽ざしに、園庭の草木が緑になり花を咲かせ、アリやダンゴムシも姿を見せ始める季節になりました。命あるものがこの時を心待ちに、一斉に動き始めたように感じます。子どもたちも、陽気な陽ざしに誘われ、豊かな自然の美しさに惹かれ、外で過ごすことが増えてきました。コロナ禍の中で生活様式が大きく変わった一年ですが、自然の姿はいつもと変わらず、私たちに癒しを与えてくれています。その中で子どもたちは、鬼ごっこや運動遊びに挑戦をしたり、草花や虫に直接触れたり、風の音や鳥の声に耳を澄ませたり―。のびのびと体を動かしている子がいれば、ゆったりとその時を見つめ心を動かしている子もいます。

「動き出す」ことは、目に見える動きばかりではないのです。安心して動き出す姿は一人ひとり違いますが、様々なきっかけを与えてくださるのが、身近な自然であると思います。こうした自然とともにある生活に感謝をしながら、この5月も穏やかに過ごしていきたいものです。

5月は、全体での礼拝が始まります。礼拝では、共に祈り、さんびかを歌い、神さまやイエスさまのお話に耳を傾けます。ほとんどの子どもが、入園して初めて神さまと出会うことでしょう。「礼拝って、何をするんだろう?」と不思議に思いながらも、保育者がお祈りをする姿を真似て小さな手をぎゅっと握り目をつぶったり、さんびかに合わせて体を動かしたりする姿が見られることと思います。先日、いちょうさんでイースター礼拝をまもると、「イエスさまは優しい人」「悲しくなったときに、いつも近くにいてくれる人」と伝えてくれた子どもがいました。目には見えないけれども、いつも大きな愛に包まれ、守られている喜びを生活の中で少しずつ感じていたのかなと、どこかあたたかい気持ちになりました。目には見えない存在だからこそ、子どもたちの豊かな感性でゆっくりと神さまに出会ってほしいと思っています。

文責 髙附

 

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年主題「共に喜んで」~すべての歩みに中に~ 4月主題「ひとりひとりの名を呼んで」

園庭の木々が芽吹き、コブシが満開。ラッパスイセン、レンギョウ、ムスカリ、パンジーが彩りを添えてくれています。コブシの実、今年はたくさん落ちるでしょうか。「木の名前の由来、今年は実を見て覚えられるといいな。」と思いながら園庭を眺めております。子どもたちの声が響き渡るのはもうすぐ・・・一緒に春を満喫する日を心待ちにして、静かな園で春容を感じる日々です。

今年の年主題です。「共に喜んで」~すべての歩みに中に~
以下の事を大切にしながら一年間を共に歩みたいと思います。
・神様によって命を与えられ、愛されている存在である子どもたち、ご家族、保育者を含めて、この園で出会わせていただいた者同士であることを「共に喜んで」。
・穏やかで心地の良い環境に置かれ、この信州の豊かな自然に抱かれて過ごせることを「共に喜んで」。
・友達や保育者とアイデアを出し合って遊び、生活を創り出すことに心を動かす。その中で子ども同士がつながって仲間になっていく事を「共に喜んで」。
・子どもの悲しみや不安、失敗やぶつかり合い。マイナスとも思われる姿に寄り添えることも喜び。その先に、子どもが知恵を得てやり直したり、一歩踏み出したりしながら、挑んでいく力を信じて待つ時があることを「共に喜んで」。
・子ども一人ひとりの違いを、「どんな働きかけがいいかな。」「家ではこんな様子なんです。」お家の方、保育者共に子どもの日々の育ちを探り、その過程の中で、大人も結びつきが生まれることを「共に喜んで」。

「ひとりひとりの なを よんで あいしてくださる イェスさま
どんなにちいさな わたしでも おぼえてくださる イェスさま」
幼児さんびかⅡより

新たな始まりの時、子どもたち、おうちの方々、教職員、一人ひとりの名前が 呼ばれ招かれたことには深い意味がある事を覚えます。大変な時代にあっても、希望を失うことなく、どんな時にも守り導いてくださる方を信頼し、「すべての歩みの中で、共に喜ぶ」日々となるよう手を携えて進みたいと思います。
どうぞこの一年、よろしくお願いいたします。

文責 園長 古川

 

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